花いっぱい運動
2003年4月30日長崎新聞掲載



大会彩る心は一つ

 長崎ゆめ総体(全国高校総合体育大会)の七月二十八日開幕まであと三カ月に迫った。出場を目指す選手だけでなく、「真心のもてなし」で大会を支えようと県内すべての高校約百校、五万人の生徒たちが一人一役運動を展開している。本番に向けて、舞台裏で地道な活動を続けている主役たちを紹介する。

 県内すべての高校に、長崎市総合運動公園の総合開会式場や県内各地の各競技場などを彩る草花を育て、大会を華やかに演出する「花いっぱい運動」を担当する生徒たちがいる。全国から訪れる選手や応援団、家族ら約十一万人を、温かく迎えたいと思う心は一つだ。

 大会期間中は夏真っ盛りで、花を咲かせるには厳しい条件。このため、昨年はすべての高校で試験栽培し、育成の課題や感覚をつかんだ。

 開会式会場の草花装飾は、農業高など六校でつくるプロジェクトチームが担当。大村市の大村城南(宇田川泱校長、五百九十人)では「竜踊り」をモチーフにした縦六メートル、横約四メートルのモニュメントを作製する。三年生の園芸科学科の草花選択生十三人が中心となり、二年生とともに草花の育成に汗を流している。

大村城南高の3年生
サルビアの種をまく大村城南高の3年生たち=大村市久原1丁目、同校
 「竜踊り」は約三千五百個のポットの草花を組み合わせる。緑色の竜はコリウスの葉で表現、背景の青空は昨年の試験栽培ではトレニアの花を使ったが、青色がまだらで竜が浮かび上がらず、ペチュニアの花に変更した。ぶっつけ本番となったが、四月初旬にまいた種は発芽して約三センチとなり順調に生育。三年生の鈴田義彦君(17)は「失敗は許されず、責任は重大。竜踊りの迫力を伝えたい」と意気込んでいる。

 モニュメントは北松農と松浦東も作る。会場周辺に配置する草花は島原農、諫早農、西彼農の三校が、工業高など四校手作りの木製プランターやバスケットに飾る。各地の競技会場や総合案内所には、農業高など十二校で発芽させた草花を全高校で育て、一万個を超えるプランターやポットを配置する。

 花は暑さに強いサルビアやマリーゴールドなどが中心。二つの花は、一九七七年の岡山大会から「友情の花」として受け継がれている。大村城南では四月下旬にサルビアの種をまいた。バレーボール部に所属する三年の野口由加さん(17)は「丈夫に育て、バトンタッチする学校できれいな花を咲かせてほしい。バレーでも県大会を勝ち抜いて何としても出場したい」。

 サルビアの花言葉は「情熱」、マリーゴールドは「生命の輝き」。真夏の大会を色鮮やかに彩る花々より一足早く、生徒たちの情熱と命の輝きは満開となりそうだ。



2003年長崎ゆめ総体