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「県債残高(借金)は一兆円超。金子県政を継続すれば、長崎県は破産する」。知事選で相手候補のこんな批判に、金子原二郎氏は強い口調で反論した。「国の保証があるから県の実質負担は三千数百億円。国策を最大限活用し、県勢浮揚を図ってきた」 二〇〇四年度の県予算約七千三百四十億円に対し、県税収入はわずか九百三十五億円。財源の多くを、国からの地方交付税や国庫支出金に依存している。 「現実主義」を自任する金子氏。その姿勢からは、財政基盤が極めて脆弱(ぜいじゃく)な本県としては、国の力を利用して県勢浮揚を図るしかない、との強い決意がうかがえる。 一方、金子氏は県独自にできる改革には積極的に取り組んできた。労組などが猛反発する中、県立の病院や福祉施設の民営化などに大なたを振るった。ひねり出した財源は同じ福祉分野で活用し、乳幼児医療費の助成枠拡大などを図った。
しかし、金子氏が「国策を活用」して推進する九州新幹線長崎ルートなど大型事業への賛否は割れる。地元負担は少ないといっても、事業そのものを不要と考える県民から見れば「無駄な大型事業」としか映らない。 JR長崎駅、浦上駅周辺の高架化や新県庁舎建設など、今後も数百億円規模の大型事業が控える。県債残高について金子氏は「実質負担は三千数百億円」とするが、再建団体に転落しかねない深刻な財政状況にあることに変わりない。 「本県の財政構造を考えれば、県債残高は今後も増える」。知事選の個人演説会で金子氏はこう語った。増え続ける借金は、確実に次の世代の負担に回る。県税収入が大幅に回復する見込みもなく、国がいつまで地方を支えることができるか不透明な中で、先行きは見えない。 「厳しいときこそやりがいがある。政治家として本望だ」。八日、当選後に初登庁した金子氏はこう決意を述べた。県民の多様な要望に応え、金子氏が言う「県民本意の県政」をどう推進するのか。三期目の金子県政に、県民は期待とともに厳しい目を向けている。 (この企画は報道部・小出久、佐藤烈が担当しました) 2006年2月9日長崎新聞掲載
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