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「駐在所を廃止しないで下さい!」。今月中旬、東彼東彼杵町大音琴郷の国道205号沿いに一枚の看板が掲げられた。掲げたのは同町PTA連合会(浦成一会長)。連合会は、県警が四月に廃止予定の音琴駐在所と里駐在所の存続を求めている。 「安心して生活できるのも駐在所のおかげだ。駐在所がなくなれば子どもたちの安全確保に不安が残る」。浦会長はそう危惧(きぐ)する。連合会は六千人を目標に署名を集め県警に提出する予定だ。 統廃合計画では、二十四時間態勢の自動車警ら隊を新設する代わりに、県内の交番・駐在所は約八十カ所少なくなる。県公安委員会規則の改正で決まるため知事に直接の権限はないが、知事選に立候補した三人の計画に対する考えは三者三様だ。 新人の小久保徳子候補(47)は「知事部局の職員定数を10%カットして警察、教育の各部局に配分する。IT(情報技術)も活用し交番同士の情報伝達を図る」と得意分野を生かしたアイデアを打ち出す。同じく新人の山下満昭候補(53)は「行革の名で交番を減らすのはもってのほか。必要な人員を増やし空き交番をなくしたい」と統廃合に真っ向から反対する。 これに対し、現職の金子原二郎候補(61)は「交番・駐在所の統廃合は県警が『より治安の向上に役立つ』と判断したと説明を受けている。治安に責任を持つ県警の判断を尊重したい」と県警の計画を容認する考えだ。 戸石駐在所(長崎市)の存続運動に取り組んだ戸石小学校区連合自治会の上戸健一郎会長(67)は「警察官の人員を増やさないと駐在所存続につながらない」と指摘。住民の警察官増員に対する期待は根強い。 都道府県の警察職員の定数は警察法施行令で決まっている。県人事課によると、警察職員の人件費の約八割は地方交付税で実質的に国が負担しているが、施行令の定員を超える人件費は県費負担。小久保、山下両候補とも、この財源をどう捻出(ねんしゅつ)するかは明らかにしていない。 戸石小学校区連合自治会は昨年末、戸石駐在所の廃止をやむなく了承した。県警警務課によると、今も存続運動を続けるのは東彼杵町と雲仙市瑞穂町(西郷、大正駐在所のいずれかの存続を要望)の住民だけ。 東彼杵町PTA連合会の浦会長は、自宅に届いた知事選の選挙公報を眺めてつぶやいた。「存続運動を断念した人も納得したわけではない。候補者にはぜひ私たちの現状を見てほしい」 2006年1月29日長崎新聞掲載
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