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「推進」か「白紙」か―。三つどもえの激戦を繰り広げる知事選で、九州新幹線長崎ルート建設の是非が争点に浮上している。「推進」を掲げる現職の金子原二郎候補(61)に対し、新人の小久保徳子(47)、山下満昭(53)両候補は「計画を白紙に」と主張しているためだ。「候補の考えをじっくり聞いて判断材料にしたい」と有権者も関心を寄せている。 「新幹線に『待った』をかけたい。新幹線より県民にお金を回す」(小久保候補)、「現県政は諫干など無駄な事業にお金を投入し、新幹線を計画している」(山下候補)―。 知事選がスタートした十九日、小久保、山下両候補は長崎市内で開いた出陣式でこう訴えた。長崎ルートの建設計画をいったん白紙に戻し、浮いた予算で中小零細企業の融資制度創設などの経済対策、福祉や教育に力を入れる考えだ。 ただ、両候補の主張はあくまで「計画白紙」にとどまり、長崎ルートの不要論にまでは踏み込んでいない。 小久保候補は「今は経済活性化が大事。県民が必要と思えば、経済効果を明らかにした上で県民に問いたい」、山下候補も「県内には多くの懸案がある。今は新幹線が必要な時ではない」とし、判断を先送りする。 「二人はよく分かってないんじゃないか…」。両候補の主張に対し、金子候補はこう反論する。長崎ルートは一九七三年に整備計画路線に決定して以来、三十年以上にわたる本県の懸案。歴代知事が国に推進を働き掛けて一昨年、ようやく条件付きで着工が決定した。 また、現在の国の新幹線財源スキームは二〇一七年度で終了。計画が白紙に戻れば、次の着工のチャンスは一八年度以降に先送りされる可能性もある。金子候補は「国が認めたものを一度断ったら、二度とチャンスは来ない」と強調する。 長崎ルートの事業費約二千七百億円のうち、本県の負担分は約三百十億円。着工から完成まで十年をめどにしており、年間の負担額は平均三十億円。金子候補は、JR長崎線を複線化するより、国の負担率が高い新幹線の方が地元負担は少ないと説明。「県の公共事業費は千二百億円で、財政的にそう難しい話ではない」とする。 ただ県の借金(県債残高)が一兆円を超える中で、本県は地元負担分と別に、反対が根強い佐賀県負担分(約二百二十億円)の一部を肩代わりする方針を表明。さらに並行在来線の経営分離に伴う第三セクターの運営についても、県費負担が生じる見込み。 県内でも賛否が分かれる九州新幹線長崎ルート。県民の関心事でもあり、建設の是非をめぐって各候補者の論戦は白熱している。だが、白紙に戻した後の姿、最終的な県の負担額などは見えない。 2006年1月22日長崎新聞掲載
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