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当日有権者数は百十九万四千七百五十五人(男五十四万九千七百八十五、女六十四万四千九百七十)。投票率は52・27%(男51・62、女52・82)で、過去最低だった前回二〇〇二年の49・79%を2・48ポイント上回ったが、過去二番目に低かった。 投票は四日に繰り上げた離島部の三十三投票所を除く九百四十五投票所で午前七時から午後八時(一部は時間短縮)まで実施。開票は午後八時から三十三カ所で順次始まった。 金子氏は昨年九月の定例県議会で立候補を表明。選挙戦では市町村合併や行財政改革、九州新幹線長崎ルートなど二期八年の実績を強調。「三期目は雇用拡大などに力を入れたい」と三選に自信を見せていた。推薦団体は二千四百以上、後援会名簿は三十万人を超える分厚い布陣で優位に戦いを進め勝利を収めたが四十万票を割り込み、目標としていた前回の約四十六万八千票を超えることはできなかった。 本県初の女性知事候補となった小久保氏は昨年十二月、正式に立候補を表明。「しがらみに縛られては真の改革はできない」として、カンパとボランティアによる市民型選挙を展開。起業家の実績を強調し、新幹線長崎ルートの計画見直しとその財源を活用した経済活性策などを訴えて浸透を図った。民主党所属の本県関係国会議員の支援も受けたが、現職の厚い壁を突き崩せなかった。 山下氏は知事選では十六年ぶりの政党公認候補として立候補。福祉、教育の充実、改憲阻止をアピールしたが、出馬表明が告示三日前と出遅れ、票は伸び悩んだ。 雇用拡大に全力挙げる 金子原二郎氏の話 国と地方の厳しい財政状況を見越して、二期八年で徹底した改革を進めてきた。それが県民から一定の評価を受けたのではないか。三期目は雇用拡大に全力を挙げる。地方はさらに厳しい時代を迎えるが、県民の目線に立ち、今までの経験を生かした新たな長崎県づくりに挑戦したい。 <経歴>金子原二郎 61 無所属・現 九州地方知事会長、県社会福祉協議会長(衆院議員、衆院法務委員長、衆院石炭対策特別委員長、建設政務次官)慶応大文学部卒、住所・佐世保市稲荷町、当選3回 解説/信任得た金子氏 県内で今年初めての大型選挙となった知事選は、現職の金子原二郎氏が他候補に大差をつけて三選を果たした。起業家の小久保徳子氏が選挙手法も含めて新鮮な形で挑み、共産党公認の山下満昭氏は政党色を押し出して戦ったが、現職の厚い壁にはね返された。 金子氏の立候補表明は昨年九月の定例県議会だったが、一昨年秋から各地域を訪れて住民と対話する「県政タウンミーティング」を開始。こうした「現職ならではの事実上の選挙運動」(政党関係者)で実績の浸透を図ってきた。 さらに、個人後援会に加え、昨年二月の県町村会の出馬要請を皮切りに主要団体の推薦の動きが活発となり、盤石の態勢を整えた。 選挙戦では、合併や行財政改革、大型事業の推進など二期八年の実績を強くアピール。大きな失政もなく「現職の信任投票」との見方もある中で、結果的にも県民の信任を得た形だ。 だが、金子氏自身「八年間で満足していないのは雇用問題」と言うように、県内経済の現状に多くの県民が不安や不満を持っている。今後四年間は、一兆円を超える県債を抱えた県財政の立て直しとともに、経済活性化に成果を残すことが最大の使命となる。 小久保氏は本県知事選初の女性候補で、起業家としての能力と実績も前面に押し出し現職に挑戦した。ただ、行政手腕が未知数の上、立候補表明が昨年十二月と遅れたこともあり、政策を浸透させるには時間不足だったといえる。また、ボランティアが支える市民型選挙を展開し、「動きがつかめない」と他陣営を困惑させたが、有権者から幅広い共感を得たとはいえず「小久保ブーム」は生まれなかった。 山下氏は共産推薦の立候補予定者が急病で出馬を断念したのを受け、告示三日前に立候補を決定。準備不足の克服を目指し街頭演説を重ねたが、票の上積みはできなかった。(報道部・小出久) 今回も関心高まらず 投票率分析 下降傾向が続いていた知事選の投票率は52・27%。知事選史上最低だった前回の49・79%を2・48ポイント上回ったが、過去二番目の低投票率。今回も有権者の関心は高まらなかった。 前回は現職金子原二郎氏と革新系新人候補との一騎打ちで、共産を除く主要六政党が金子氏を相乗り推薦。現職に圧倒的有利な選挙で盛り上がりを欠いた。 今回は三選を目指す金子氏と無所属新人の小久保徳子氏、共産党公認新人の山下満昭氏の三つどもえとなり、有権者の選択肢は増えた。政策論争でも県民の間で賛否がある九州新幹線長崎ルート建設計画など大型公共事業の是非が問われ、対立軸は示された。 長崎新聞社が告示後実施した県民アンケートでは、86・9%が投票に「行く」と答え、関心の高まりが期待された。しかし、金子氏の組織力から「勝利は確実」との見方が広がる中で、金子氏への批判票を含め、積極的な意思表示を行う有権者が減ったとみられる。 投票率の低迷が続くことに対し、当選を決めた金子氏は「投票しなかった人にも消極的支持の人がいると思っている」と述べたが、内実は確かめようがない。知事選は県民が四年に一回だけ県政への評価を下せる貴重な機会。有権者の半数が棄権する事態は重く見るべきだ。引き続き県政を担当する金子氏には常に民意を吸い上げ、施策に反映させる努力が求められる。 地域別で見ると、三十二市町のうち投票率が低下したのは九自治体だけ。県内有権者の三割を占める長崎市は45・06%と、4・38ポイント上昇。市長選、市議選があった新「松浦市」、県議補選があった地域でもほとんどの市町で上がった。知事より身近な首長、議員の選挙が重なり相乗効果が出たとみられる。 期日前投票者数と不在者投票者数の合計は、当日有権者数の8%に当たる九万五千五百六十一人。前回の不在者投票者数の約一・四倍に伸びた。 2006年2月6日長崎新聞掲載
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