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参院選長崎選挙区 長崎新聞・NBC世論調査

 参院選の投票日を前に、長崎新聞社とNBC長崎放送は共同で1日から4日までの4日間、県内全域を対象に電話世論調査を実施。有権者の投票動向や支持政党、投票に際して重視する判断材料などを探ったほか、長崎選挙区に立候補している民主現職の犬塚直史(55)、自民新人の金子原二郎(66)、みんなの党新人の中嶋徳彦(35)、共産新人の渕瀬栄子(54)の4候補について、取材を加味しながら戦いぶりを分析した。(参院選取材班)

4候補論戦終盤へ

犬塚 直史候補 民主

犬塚直史候補
労組中心に支持拡大

 2期目を目指す現職。連合長崎傘下の労働組合を中心に県内全域で支持を広げるが、知名度を生かして先行する自民候補を懸命に追う展開。

 労組の組織が比較的厚い西彼地区や西海市で他候補をリードしているが、陣営が大量得票を期待する大票田の長崎市では自民候補の食い下がりを許し、県北、離島などでは、やや水をあけられている。

 支持政党別では、民主支持層の約8割を固め、連立政権を離脱した社民の支持層も約6割をつなぎ留めている。無党派層は3割弱を取り込んでいる。

 支持する人の間では、マニフェスト(政権公約)の実行度合いに対する「満足」「どちらかといえば満足」の割合が高く、民主党の政策や政権運営に対する評価・理解がうかがえる。

 支持理由は「政党を支持」が最も多く、「政策や考え方」「組織・団体・職場・地元の推薦」が続く。現職だが、実績を評価して支持すると答えた人は少ない。具体的な政策では、景気対策や産業振興、年金・福祉・医療に期待する人が多い。

 党本部は終盤にかけて閣僚級の応援を続々と投入、追い上げを図る構え。


金子原二郎候補 自民

金子原二郎候補
知名度生かし手堅く

 知事3期12年、衆院議員5期を務めた実績や人脈、知名度を生かし、ほぼ全域で幅広い支持を集めている。個人後援会や自民党の地方議員が各地域で組織選挙を進め、先行する展開となった。

 壱岐、対馬、五島の3市と新上五島町の離島、地盤の佐世保市など県北地区で支持が厚く、大村市、東彼、島原半島でも優勢に戦いを進めている。半面、諫早市や長崎市の都市部では民主候補と互角、西海市や西彼では後れを取った。

 支持政党別では自民の8割強、支援を受ける公明の7割強を固めた。民主支持層の一部にも切り込み、無党派層も4割を取り込んでいる。

 支持層の4割強が、昨年の衆院選で民主党が掲げたマニフェストの実行の度合いについて「不満」、4割弱が「どちらかといえば不満」と厳しい評価。政権交代後の民主党政治に対する批判票を手堅くまとめている現状がうかがえる。

 支持する理由は「実績」が最も高く、次いで「政党」「政策や考え方」「組織・団体・職場・地元推薦」が続いた。「景気対策、産業振興」や「年金、福祉、医療」を判断材料として重視する人の支持が目立つ。


中嶋 徳彦候補 みんな

中嶋徳彦候補
政権批判の受け皿に

 自民党の候補者選考に漏れ、離党。みんなの党からの出馬を表明したのが公示日の約2週間前とあって、知名度不足を払拭(ふっしょく)できていない。党自体は“第三極”の筆頭として躍進が予想されるが、佐世保市議1期目で支持基盤が弱く、二大政党対決の下で苦戦を強いられている。

 長崎市や地元の佐世保市で一定の支持を集めているが、郡部や離島に広がっていない。みんなの党支持層の3割以上がほかの候補に流れており、古巣の自民支持層の切り崩しも期待したほど進んでいない。「支持政党なし」のいわゆる無党派層を十分に取り込めておらず、終盤は都市部の浮動票獲得が課題となりそうだ。

 ただ民主支持層の一部に食い込んでおり、政権交代後の民主の迷走に失望した人たちにとって、ある程度の受け皿になっているもようだ。中嶋候補を選んだ理由で「ほかに適当な人がいない」が全体の4割を超えたことも、この傾向を裏付ける。

 30、40代の男性からの支持が比較的厚いが、60歳以上の男女に浸透しきれていない。政策面では「景気対策、産業振興」と並んで、公約で重視する「行財政改革・公務員制度改革」に期待する人が目立った。


渕瀬 栄子候補 共産

渕瀬栄子候補
反二大政党票に照準

 2009年の衆院選に続いて国政への挑戦は4度目。大企業や財界中心の政治から「国民こそ主人公の政治」への転換を打ち出し、これまで街頭演説や集会で消費税の引き上げ反対を中心に訴えを進めてきた。しかし二大政党など他党の候補に押され、伸び悩んでいる。

 地域別では長崎市で最も多くの支持を集め、島原半島や諫早市、旧町時代に町議を務めた地元の西海市にもやや浸透している。しかし五島市など離島地域での支持は頭打ちの状況。

 年代別では男女ともに50歳代の支持が中心。一方で、20代の支持は少ない。

 支持する理由では「政党」と「政策や考え方」がほとんどを占め、党支持層の約8割を固めた。

 後期高齢者医療制度の廃止や医療費の負担軽減など社会保障の充実を訴えており、支持者のうち3割が、重視する判断材料に「年金、福祉、医療」を挙げている。

 二大政党化への流れに抵抗感を示す層の取り込みを目指すが、今のところ、無党派層からの流れ込みはわずか。無党派層への働き掛けや、他地域に比べ苦戦している離島地域での支持拡大などが課題。




選択理由  自民支持層「実績」、民主は「政党」

候補者選択理由  長崎選挙区で投票する候補者を選んだ理由のうち、最も多かったのは「政党を支持」で、全体のちょうど2割を占めた。これに次いで「政策や考え方を支持」が15・4%と多かった。

 2007年の前回参院選とは選択肢の内容と数が違うので単純には比較できないが、前回は「政策」が「政党」を上回っていた。昨年夏の政権交代を経て、有権者は党の“看板”を大きな判断基準にするようになった傾向がうかがえる。

 「ほかに適当な人がいない」も11・6%と目立ち、消去法で候補者を選ぶ人が少なくない実態も浮き彫りに。そのためか「実績がある」や「人柄が魅力的」はどちらも1割を切った。その一方で「組織・団体・職場・地元推薦」は10・8%あった。

 候補者別では、自民候補支持層は「実績がある」が24・2%と最も多く、「政党を支持」が19・8%と続いた。これに対し、民主候補支持層は「政党を支持」が39・0%と目立ち、次いで「政策や考え方を支持」が19・5%。みんなの党候補支持層は「ほかに適当な人がいない」が44・4%、共産候補支持層は「政策や考え方を支持」が38・5%を占めた。




投票動向  乏しい争点に関心高まらず

投票に行きますか
 投票に「必ず行く」と答えたのは全体で83・6%(男85・9%、女81・5%)。3年前の参院選より2・7ポイント下がった。「できれば行くつもり」と合わせると3・2ポイント下がった。「行かない」は4・0%で、前回(1・6%)より増えた。前回61・54%だった投票率の行方にも関心が集まる。

 「必ず行く」を年代別(今回は70歳以上なし)に見ると、30代を除く各世代で2〜7ポイント前回を下回った。昨年夏の政権交代が期待外れだったことや、相次いだ「政治とカネ」をめぐる問題、選挙戦の具体的な争点の乏しさから、有権者の関心はそれほど高まっていないことがうかがえる。

 各年代・性別で「必ず行く」の比率が最も高かったのは60歳以上男性の94・3%。60歳以上女性が90・5%で2番目だった。最も低かったのは20代女性の56・8%。30代女性の67・7%が続いた。20代女性は「行かない」も11・4%で最も高かった。

 一方、投票する候補者を「まだ決めていない」とした回答者は27・6%。前回より7ポイント増えており、どのような投票行動を取るか注目される。




政権交代・マニフェスト実行  7割近く不満の声

政権交代への評価を判断材料にしますか、マニフェストの実行度合いについて

 昨年の政権交代への評価を投票の判断材料にするかの問いでは、60・7%が「する」と答え、「しない」とした26・4%を大きく上回った。有権者は民主党政権への評価をこの選挙の焦点として位置付けている。

 民主党が昨年夏の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)の実行度合いに対しては「どちらかといえば不満」が35・4%で最も多く、「不満」の31・4%が続いた。合わせると7割近くの有権者が満足しておらず、「子ども手当」の満額支給断念や「高速道路無料化」の縮小など、“公約違反”に厳しい目が向けられていることが明らかになった。

 これに対し「どちらかといえば満足」は21・2%、「満足」と答えたのはわずか2・6%だった。

 各年代別で満足していない比率が最も高かったのは50代で71・5%。これに60歳以上が68・0%で続いた。逆に満足している比率が最も高かったのは30代の30・1%で、次いで40代の26・1%だった。民主党政権の働きぶりについて中高年は特に厳しく、比較的若い世代のほうが評価していることがうかがえる。




判断材料  「景気」最多「福祉」続く

重視する判断材料  参院選で重視する判断材料(二つまで回答)では386人が「景気対策、産業振興」を挙げた。2008年の世界同時不況以降、離島や半島が多い本県の景気は一層悪化した。産業不振による雇用不足などで人口流出に拍車が掛かっており、苦しい生活実態が反映されたとみられる。

 次いで「年金、福祉、医療」が314人、「消費税・財政再建」が235人と続いた。民主党の鳩山由紀夫前首相と小沢一郎前幹事長が退任する引き金となった「政治とカネの問題」を挙げたのは121人で、「行財政改革・公務員制度改革」「子育て支援、教育」に次いで6番目。

 年代別では、20〜50代が「景気対策、産業振興」、60歳以上は「年金、福祉、医療」が最多。20〜40代は2番目に「消費税・財政再建」を挙げた。

 政党別では民主、自民、公明支持者が「景気対策、産業振興」、共産、社民支持者は「年金、福祉、医療」を重視。みんなの党支持者は「行財政改革・公務員制度改革」がトップ。各党の“セールスポイント”とよく符合しており、党の主張をしっかり吟味する県内の有権者の姿が浮かび上がる。




支持政党  民主29.7%自民31.5%

支持する政党

 民主を支持したのは29・7%で、政権交代前の2007年の前回参院選時と比べ、12・8ポイント上昇した。野党に転落した自民は、前回より6・2ポイント落ち込んだものの、31・5%と依然、民主を上回っている。

 2月の知事選調査時と比べると、民主は6・7ポイント上積み。自民も6・3ポイント上昇したが、その差は2・2ポイントから1・8ポイントへと縮まった。「支持政党なし」が14・3%と前回参院選より17・2ポイントも減っており、「二大政党化」の流れの中で、有権者の「政党離れ」に歯止めがかかりつつあるとみることもできそう。

 一方で、公明3・2%(前回比0・2ポイント減)、共産2・4%(同0・4ポイント減)、社民1・8%(同0・4ポイント減)といずれもダウンし、二大政党の対決が激化する中で埋没気味。09年8月に結成した、みんなの党は2・6%で4位につけた。

 男性は民主、自民の支持割合がほぼ同じ。女性は自民(31・5%)が民主(28・3%)を上回った。年齢別では、40代までは民主、自民の支持割合が拮抗(きっこう)しているが、50代は民主支持が多く、60歳以上は、逆に自民支持が根強い。「支持政党なし」は30代男性と50代女性で2割を超えた。




 ▽調査の方法=7月1〜4日の4日間、県内の有権者を対象にRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。コンピューターで無作為に電話番号を発生させ、地域や年代などを考慮した上で、千人から回答が得られるまで電話をかけ、分析した。



2010年7月6日長崎新聞掲載





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