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「ド・ロ神父遺跡」「旧出津救助院」の保存修理事業が本格化 明治期の状態へ
【西彼中央】世界遺産暫定リスト入りした「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産で、老朽化で傷みが激しくなっている長崎市西出津町の国指定重要文化財「旧出津救助院」と県指定史跡「ド・ロ神父遺跡」の保存修理事業が本格化している。
同救助院は、外海の地に赴任したフランス人宣教師、マルコ・マリ・ド・ロ神父が一八八〇年代に建設した授産場、マカロニ工場、現在は「ド・ロ神父記念館」として利用されている鰯(いわし)網工場の三棟と、敷地内の石壁などを一体として保存。ド・ロ神父遺跡は救助院を含め、神父が開設した薬局や製粉工場などで構成する。
明治初期の先駆的な福祉事業の一端を知る上で重要な建造物も建設から百年あまりが経過し、既に半解体修理が実施された鰯網工場を除いて老朽化が進行。雨漏りやシロアリ被害に加え、二〇〇六年九月の台風13号で、屋根瓦四百五十枚が破損する被害も受けた。
保存修理事業は、建物を所有する「お告げのマリア修道会」(長崎市小江原四丁目)が国、県、市の補助を受け、二〇〇七−十一年度の五カ年で取り組み、総事業費は六億四千万円。建物の歴史的変遷を中心に調査しながら半解体修理を実施する。
昨年十一月に着工。工事が長期にわたる授産場を覆う鉄骨の素屋根を建設するため、今年二月からは授産場に密接する薬局と製粉工場の部分解体を進めている。部材は一時的に格納保存し、四月以降に素屋根建設が始まる見通し。
重要文化財旧出津救助院設計監理事務所の來本(くるもと)雅之所長は「当時のフランスの技術などが垣間見え、ド・ロ神父が長崎における西洋建築に大きな影響を与えたと推測される。神父が活動していた当時の状態に戻すことを念頭に、工事を進めたい」と話している。
2008年3月23日長崎新聞掲載
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