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江袋教会、4月着工目指す あす火災から1年「祈りの場」復元へ
【上五島】二〇〇七年二月に焼失した新上五島町曽根郷の江袋教会の火災から十二日で一年。信徒は「祈りの場」を失ったが、同教会に隣接する司祭館でミサを営み、信仰を守り続ける。所有するカトリック長崎大司教区(高見三明大司教)は、原則燃え残った材料を使い、創建された明治期の姿の復元に向けて四月着工、二年以内の完成を目指す。これまでに全国から三千五百万円以上の浄財が寄せられたが、長崎大司教区は復元に要する二億円の資金調達に向け、県などと交渉を進めている。
同教会は、有形の町指定文化財。長崎大司教区と町教委によると、日常的に使用されている木造教会の中で県内最古だった。現在、一般の立ち入りは禁止。雨や風をしのぐためトタン屋根で覆われ、側面は工事用シートがかぶせられている。
長崎大司教区が復元を強く望んだため、建築学の専門家らが焼失の翌月から昨年十二月にかけ六回現地入りし、燃え残った柱などが使えるかどうかなどを調査。炭化した柱などの表面を削って新しい木材を張り付けたり、木材の表面を樹脂で覆うなど適切な工法を探ってきた。調査や図面作製を担う長崎市の一級建築士事務所は「三月中旬をめどに設計図を完成させたい」としている。
一方、長崎大司教区は昨年八月、カトリック関係者や建築学の専門家らで復旧委員会を発足させた。三月下旬に開催予定の二回目の会合で了承されれば、四月に復元工事を始める。
復元に要する費用二億円のうち、浄財と火災保険で計六千万円を確保し、「基礎的な財源はある」と長崎大司教区。残り一億四千万円は県と新上五島町に補助を求め、さらに浄財への協力も広く呼び掛けていくという。県は「一刻も早く復元させたいが、費用を確保しないと作業のゴーサインが出せない」と話す。
信徒代表の楠本伸慈さん(45)は「復元した後は、私たちが教会を一生懸命守っていきたい」、井上同町長は「江袋教会が県や国の文化財となり、世界遺産暫定リストの構成資産に入るよう取り組んでいきたい」と話す。
一年前の火災では、木造平屋の教会約二百平方メートルを全焼。漏電が原因とみられる。
2008年2月11日長崎新聞掲載
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