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特集/長崎の教会群が世界遺産暫定リスト追加
「長崎から世界遺産を!」−。県と五市二町が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産候補として国に共同提案した「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」。文化庁は二十三日、この歴史的な意義を認め、世界遺産登録の前段階となる「暫定リスト」に追加提出する判断を示した。本県が世界に発信できる“歴史文化の価値”としてまとめられた背景、登録までの道のりなどを特集で紹介する。(報道部・河野隆之)
有形不動産が対象
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、人類の貴重な遺産として保護することが重要だと認め、登録した文化財が「世界文化遺産」、自然環境が「世界自然遺産」。いずれも有形の不動産が対象で、「顕著な普遍的価値」「万全の保護措置」−などが求められている。国内では、文化遺産に法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)など十件、自然遺産には知床(北海道)など三件が登録済み。全世界では欧米を中心に八百三十件。
県と関係市町が文化庁に共同提案した「暫定リスト」には現時点で、平泉の文化遺産(岩手県)など四件が入っている。世界遺産登録の前段階となる暫定リストから本登録に移るには、政府があらためて推薦書をユネスコに出し、認められる必要がある。ただ、文化、自然両遺産ともに一年に一遺産ずつしか申請できない。
現在、暫定リスト中の石見銀山遺跡(島根県)が本推薦され、国際記念物遺跡会議(イコモス)が現地調査などを進めている。
「地域」から「世界」の宝に
国宝・大浦天主堂(長崎市)、国重要文化財・黒島天主堂(佐世保市)、国史跡・原城跡(南島原市)−。「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の対象資産は全二十件。国内でのキリスト教の変遷を今に伝える貴重な遺産で構成し、その精神性と景観、独特の建築文化を前面に押し出した。
県教委学芸文化課によると、鎖国前の一六〇〇年ごろ、本県はキリスト教布教の中心地で「小ローマ」とも呼ばれていたという。その後、禁教や信徒への迫害、殉教など二百五十年にも及ぶ長期の潜伏から劇的に復活する「信徒発見」を経て、キリスト教の歴史文化は脈々と続いてきた。
今回の共同提案書では、こうした精神性の高さを「世界に類を見ない希少価値」と位置付け、全体のコンセプトの柱に据えた。
さらに、教会については、集落や離島部などの自然地形と一体となった文化的景観に加え、西洋と東洋の建築文化が融合した独特の造形、意匠をPRした。
県教委は、「世界遺産に登録されれば『地域の宝』から『世界の宝』になる。地域を挙げて次世代に引き継ぐと同時に、現代を生きる世界の人々に発信していくことも重要だ」としている。
2007年1月24日長崎新聞掲載
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