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インタビュー/「長崎の教会群を世界遺産にする会」会長 林一馬さん

「地域の宝」守る意識を

 県内に点在する教会群の価値に早くから注目し、世界遺産登録に向けて活動してきた「長崎の教会群を世界遺産にする会」会長の林一馬・長崎総科大学長に、暫定リスト入りに対する思いと今後の課題などを聞いた。

 −「長崎の教会群」を世界遺産に登録する意義は。

 まず、世界史的に類を見ない二百五十年に及ぶ長期の潜伏、迫害の歴史を経て、復活した歴史的背景がある。さらに、教会が建てられた場所はへき地といわれる集落が多く、島や海岸線沿いの自然地形と一体的な景観を形成している。三点目は、外国人宣教師が西洋建築技術の知識を伝え、それを学んだ日本人大工が創意工夫を凝らした西洋と東洋の建築の融合だ。

 −暫定リスト入りした感想を。

 二〇〇一年九月に「長崎の教会群を世界遺産にする会」を結成した当初、十年がかりの運動になると思っていた。教会関係者からも「何を言っているのか」という反応もあった。その後、五島列島の教会巡りが人気になり、多くの人が歴史や地域生活と結び付いた教会群の魅力を実感してくれたことで、風向きが変わった。こんなに早い時期とは考えていなかった。しかし、リスト入りで、すぐに進むわけではない。

 −今後の課題。 

 国による保存管理計画の策定をはじめ、今後、予定されるユネスコの調査に対応できるよう、県に「世界遺産登録準備室」などの専門部署が必要。一方、信者の心のよりどころである教会を侵すようなことがあっては、登録への運動は長続きしない。市民レベルでは深い歴史を背負ってきた教会の特性を理解した上で、「地域の宝」として守る意識を深めなければならない。

 −五年余りの活動で印象的な出来事は。

 二〇〇三年秋、ローマ法王に世界遺産暫定リスト入りへの協力を要請するため、バチカン市国を訪れた。ヨーロッパには規模も装飾も素晴らしい教会が多く存在するが、長崎の教会群には「精神的な質の高さがある。日本政府が評価すれば、世界的な認知度はすぐ高まる」と励まされた。日本という東洋の国でヨーロッパの教会文化が花開いている点で評価が高く、登録時期が早まるのではないかという感触を持った。

 はやし・かずま 奈良県出身。京都大大学院工学研究科博士課程修了。専門は建築学。72年、長崎造船大(現在の長崎総科大)講師となり、長崎総科大工学部教授、同大学院教授を歴任。05年から学長。長崎市在住。63歳。

2007年1月24日長崎新聞掲載

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