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ド・ロ神父の足跡後世へ 外海のシスター、オルガン奏で喜ぶ
【西彼中央】「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界遺産登録の「暫定リスト」に入った二十三日、県内各地に点在する関連遺産の関係者に喜びが広がった。「旧出津救助院」(国指定重要文化財)や出津教会などフランス人宣教師、マルコ・マリ・ド・ロ神父(一八四〇−一九一四年)の足跡が多く残る長崎市外海地区でも今回の決定を歓迎するとともに、同神父が示した深い人類愛をあらためてしのんだ。
長崎市西出津町のド・ロ神父記念館にシスターの橋口ハセさん(89)が奏でるオルガンの優しい音色が響く。出津生まれの橋口さんは、母親が製粉技術などとともに神父から習ったという歌を聞いて育った。十三歳で地元の修道院に入り、神父がフランスから取り寄せたオルガンを半世紀以上にわたり奏でている。
「神父さまは喜んで人に尽くす愛をこの地域に残してくれた。私も皆さんに喜んでもらえるようオルガンを弾いています」と話す橋口さん。暫定リスト追加について「私はここで生まれ育ち、ずっと(出津)教会のお世話になってきた。うれしいですね」とほほ笑んだ。
記念館として利用され
ている鰯(いわし)網工場跡や、授産場跡などの「旧出津救助院」は住民の窮状を救うため、神父が私財を投じて建てた。建設から一世紀あまりがたち、修復が済んでいる鰯網工場跡を除き、老朽化した建物は傷みが目立つ。昨年九月の台風13号で四百五十枚の瓦が破損した屋根には、応急処置として保護用の鉄板を取り付けている。
建物を所有する「お告げのマリア修道会」(奈切シゲ子会長)と県、市は新年度中にも修復工事に着手したい考えだが、費用は概算で四億円超。県と市は文化庁に補助を要望中で、本年度末に回答が示される見通し。
奈切会長は「救助院は県や市など多くの方に価値を認めていただいており、修復をし、遺産として後世に残していく思いで一致している。神父さまの偉業を伝えていきたい」と話している。
2007年1月24日長崎新聞掲載
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