
本県経済の停滞を打破し、力強い成長へと導くために、産学官のトップが一堂に会して総合戦略を練る「長崎サミット」の初会合が30日、長崎市で開かれた。
本県経済はこのままでは先細りになる一方、との危機感を共有し、活性化を図るには産学官が連携し、実効性のある対策を共同で推進していく必要があるとの考えで一致したため、サミット開催に踏み切った。
これから、さまざまな分野で具体策の検討を進め、随時、サミットを開催しながら、総合戦略と行動プランを決定し、実行に移していく。地域の総力を挙げて本県経済浮揚を達成していこうという、画期的な体制が出来上がった。
地域経済発展のために、産学官のトップが、ここまで緊密な連携体制を築き上げた例は、全国でも珍しい。それだけ本県経済に対する危機感が強いということである。同時に、産学官の垣根を越えて手を取り合えば未来は必ず開けるとの確信があるということでもある。今回のサミットが、本県経済を停滞から成長へ反転させる、確かな一歩となることを期待したい。
サミットの初会合には、▽長崎商工会議所、松藤悟会頭▽長崎経済同友会、宮脇雅俊代表幹事(十八銀行頭取)▽県経営者協会、相馬和夫会長(三菱重工長崎造船所長)▽長崎青年会議所、山下憲一理事長▽長崎大学、片峰茂学長▽中村法道知事▽田上富久長崎市長の7人が出席した。
会合ではまず、本県の人口減少が続けば、将来、危機的な経済状況に陥るとの認識で一致。それを回避するには若者の雇用の場を創造する必要があり、そのためにも経済活性化が急務とした。その上で、基本目標を「域外からの外貨獲得」に置き、重点分野を「造船・機械・電機など基幹製造業」「観光業」「水産業」「大学」の四つに定めた。
具体策の検討に入ると、出席者から早くも、夢にあふれたスケールの大きなプランが次々と発表され、高揚した雰囲気に包まれた。
このうち、相馬会長は、三菱長崎造船所の一部ドックを、観光客向けの見学ルートに組み込むことで、産業観光の新しい可能性を切り開きたいと表明。また、造船所の地場関連企業と連携して、共同技術開発、共同受注ができる体制を確立していく考えも示した。
片峰学長は、長崎大をアジアからの留学生であふれる国際大学にする夢を語り、そのために、留学生支援ネットワーク強化、留学生が卒業後、本県で就職できるようにするための留学生向けインターンシップ推進などの方針を表明した。
ほかにも、実効性のあるプランが多数、示された。
サミット初会合で明らかになったのは、本県経済の現状は確かに厳しいが、そうした現状を打破して、大きな成長を実現できる潜在力もまた、間違いなく備わっているということだ。明るい未来に向けた行動の輪を、県内全域に、さらに大きく広げていきたい。
(2010年8月1日長崎新聞掲載)
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