
第22回参院選は11日、投開票が行われ、民主党など与党が議席を減らし、非改選を合わせて過半数割れするという大敗を喫した。
昨年の政権交代以降、初の国政選挙で、民主党政権に国民が中間評価を示す選挙となったが、その結果は非常に厳しいものだった。
民主党は参院で与党過半数を維持し、政権安定を図ろうとしたが、国民はフリーハンドを与えなかった。国民の審判を真摯(しんし)に受け止め、信頼獲得に努めなければならない。
菅直人首相は選挙直前、消費税引き上げ問題を争点に掲げ、「責任与党の証し」とアピールしたが、十分に練られた提案ではなかったことが露呈し、有権者の信頼を損なった。首相や党執行部の責任は大きい。
政権交代時に掲げたマニフェストの実行も中途半端や立ち消えになったものが多い。国民は、政権交代に寄せた期待が裏切られたと感じ始めている。民主党は初心に帰るべきである。
一方、自民党も今回は、民主党の混乱に助けられたにすぎず、政権復帰の展望が見えてきたとは言えない。こちらも、昨年総選挙での国民の厳しい審判を忘れることなく、党再生に地道に取り組む必要がある。
ただ、与野党の拮抗(きっこう)は必ずしも悪いことではない。与野党が緊張関係を保ち、対決すべきは対決し、協力すべきは協力して、山積する国内外の課題に取り組んでいけば、政治の質を高めることができる。今後も各政党が大いに切磋琢磨(せっさたくま)してほしい。
長崎選挙区では、前知事で自民新人の金子原二郎氏(66)=公明支援=が、民主現職の犬塚直史氏(55)=国民新推薦、社民支持=を大差で破り、参院初当選を果たした。金子氏は衆院議員5期、知事3期を務めただけに知名度は抜群。政党や後援会などの組織力をフル稼働させて幅広く支持を拡大した。
一方、犬塚氏は外交問題などでの実績をアピールし、菅首相など民主党幹部が長崎入りして応援したが、民主、社民支持層以外に支持を拡大できず、金子氏に議席を奪われた。
共産新人の渕瀬栄子氏(54)、みんなの党新人の中嶋徳彦氏(35)も思うように票を伸ばせなかった。
金子氏は当選後の会見で、「地域と中央の格差が拡大している問題の解決を目指して、国政の場で頑張る」と抱負を述べた。新たな地方の時代を築くために存分に力を発揮してほしい。
民主党は本県で衆院、参院の選挙区の議席を独占していたが、その一角が崩れた。特に現職大敗の事態は深刻に受け止める必要があろう。民主党に逆風が吹いた選挙だったのは確かだが、それだけで敗因を説明し切れるのか。参院1期6年を務めながら、なお陣営が「現職の知名度不足」を心配しなければならなかった議員活動のスタイルにも問題がありはしないか。民主党県連は今回の敗北を教訓に、地元に根を張った人材を発掘し、育てる努力を始めてほしい。(高橋信雄)
(2010年7月12日長崎新聞掲載)
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