
NHK大河ドラマ「龍馬伝」の長崎を舞台にした第3部が、近づいてきた。ドラマを通じて、全国の人々があらためて長崎の歴史に注目し、その魅力を知ることになる。本県観光振興にとって千載一遇のチャンスだ。この機会を生かさない手はない。観光に携わる県内の関係者が手を取り合って、龍馬ブームを確実に経済浮揚に結び付けたいものである。
1月から始まった「龍馬伝」は、視聴率が毎回20%を超える好調ぶりで、全国に新たな龍馬ブームを巻き起こしている。観光面で期待されるのは、番組最後の「龍馬伝紀行」。毎回、登場人物ゆかりの地を、交通アクセスまで含めて紹介している。高知はじめ、これまで紹介された土地は観光客が急増しているという。第3部・長崎編に入れば、長崎の魅力ある史跡や風物が紹介され、観光客の注目が一気に高まりそうだ。
長崎編は7月18日放送分から。龍馬にとって長崎は、亀山社中や海援隊を組織して活動の幅を大きく広げ、最もはつらつとして輝いた地。同時に、さまざまな事件に遭遇して苦悩を重ねた地でもある。ドラマも一層、熱を帯び、感動あふれる展開となりそうだ。
この長崎編放送を確実に観光客誘致に結び付けようと、県内の自治体、観光業界など幅広い団体で組織する大河ドラマ「龍馬伝」県推進協議会(会長・中村法道知事)は、このほど開いた総会で、「いよいよ本番」とあらためて決意を固め、PR事業強化、観光客受け入れ態勢整備などに全力を挙げる方針を確認した。
早速、長崎編放送開始日までの日数を示す「カウントダウンボード」を県内33カ所に設置。さらに、「ながさき龍馬フェスタ2010」を6月19、20日、長崎市で開催、多彩なイベントで地元の機運を盛り上げると同時に、「龍馬の歌」音楽祭などで全国に向けて長崎の思いを発信する予定。
このほか、首都圏でのキャンペーンなど観光PRの強化、全国各地で長崎物産フェア開催、インターネットを活用した情報発信、魅力ある旅行商品の販売促進など、きめ細かな活動に着手している。長崎市、新上五島町など龍馬ゆかりの地はもちろん、龍馬が長崎に向けて歩いた島原でもアイデアを凝らした観光客誘致を進めており、県全体でエンジンが掛かってきた。
課題は、龍馬観光ブームを「龍馬伝」が終わった後に、いかにつなげるかだ。2011年春には新幹線鹿児島ルート全線開通が予定されており、本県観光は大きな影響を受けると心配されている。その影響を抑えるためにも、「龍馬伝」で最大限の観光振興を図り、その勢いをリピーター確保に結び付ける方策を見いだしておく必要がある。
7月からの「龍馬伝」長崎編にちなむ観光対策は、本県観光の正念場であり、今後の岐路となる可能性を持つ。みんなで、おもてなしの心を共有し、観光立県の新たな一歩を力強く踏み出したい。(高橋信雄)
(2010年6月6日長崎新聞掲載)
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