
任期満了に伴う第17回知事選が4日告示され、いずれも無所属新人の7人が立候補を届け出た。
金子原二郎現知事が3期限りでの引退を表明しているため、候補全員が新人の戦いとなった。当選者は金子知事に代わり、本県12年ぶりの新しい知事となる。
各候補は立候補手続きを済ませた後、早速、熱のこもった選挙運動を開始した。投票日は21日。
立候補を届け出たのは、▽前農水省改革推進室長の橋本剛氏(40)=民主、社民、国民新推薦▽前共産党県委員会委員長の深町孝郎氏(67)=共産推薦▽前副知事の中村法道氏(59)▽前県議の押渕礼子氏(71)▽元参院議員の大仁田厚氏(52)▽元会社員の松下満幸氏(62)▽会社役員の山田正彦氏(44)。
立候補者7人は、本県知事選では過去最多。
本県は長期にわたって経済が停滞しているため、一向に県民所得が上がらず、中小企業の苦境が続き、雇用の機会が減少の一途をたどり、その結果、人口流出が続いている。放置すれば、一層、活力に乏しい過疎の県となり、再浮揚の手掛かりさえ失ってしまう。県民の危機感は極めて強い。
この閉塞(へいそく)感を打ち破り、地域経済を活性化させ、県勢を浮揚させる方策は、一体、どこにあるのか。県民の多くが抱いているこの問いに、候補者は明快な答えを示さなければならない。
有権者のその問いを真正面から受け止め、美辞麗句でもなければ単なる掛け声でもない、真に有効で具体的な処方せんを示すことができなければ、候補者の資格はないとさえ言えよう。それほど、県民の強い危機感に包まれて行われる知事選である。各候補は有権者の危機感を共有し、県内各地で、きめ細かく有権者の声を聞きながら、充実した論戦を展開してほしい。
県民の賛否が分かれる大型事業についても、各候補は基本的な考えを示さなければならない。それは(1)九州新幹線長崎ルート建設(2)石木ダム建設(3)県庁舎移転新築(4)諫早湾干拓事業の開門調査の四つだ。金子県政は(1)〜(3)を強力に推進し、(4)は諫干事業推進の立場から反対してきた。金子県政の方向性を継承するのか否か、候補者の立場が鮮明になる問題だけに、しっかりと議論してもらいたい。
いずれも県民の立場や価値観によって大きく意見が異なる問題だ。従って、知事を目指す候補者ならば、単に自説を述べるだけでなく、反対意見の人々をどう説得し、どのような和解の道筋を示すかまで語る必要があるだろう。県民の融和に配慮することも知事の重要な役目であるからだ。
子育てや医療、介護、福祉なども重要な課題だ。当然、各候補は、県民の目線に沿った政策を提示できなければならない。
政権交代後、国政が今なお激動する中での県知事選だ。今後の政局を占う選挙としても全国の注目を集めている。本県有権者に託された1票は極めて重い。(高橋信雄)
(2010年2月5日長崎新聞掲載)
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