
来年放映のNHK大河ドラマ「龍馬伝」にあやかって、坂本龍馬ゆかりの地である本県の観光振興を大々的に図ろうとの意欲と期待が高まっている。
大河ドラマの舞台となった地方は観光客が急増するのが常であり、本県もこの機会を生かさない手はない。主人公の幕末の志士、坂本龍馬は非常に魅力的な人物で、今も人々の関心を引きつけてやまない。しかも、その龍馬を演じるのは本県出身の歌手で俳優の福山雅治さんだ。当然、高い視聴率が期待でき、ドラマの舞台となる長崎や県内各地の歴史や風物にも、視聴者の関心が向かうことになる。
「龍馬伝」放映は、本県観光にとって絶好のチャンスだ。そのチャンスを十二分に生かして、本県の魅力を大いに売り込み、ぜひとも観光浮揚の実を上げたいものである。
NHKによれば、「龍馬伝」には坂本龍馬や、三菱財閥創始者の岩崎弥太郎など、長崎ゆかりの人物が続々と登場するという。来年一月に放映が始まれば、全国的に龍馬ブーム、長崎ブームが起こる可能性は大いにある。配役はまだほとんど公表されていないが、主人公の龍馬だけは福山さんに決定している。
県内でのドラマ制作は、今年四月からシナリオ・ロケハンティングを進め、八月から長崎を中心にした現地ロケが予定されている。
この制作に全面的に協力し、放映開始後のブームを確実に観光客増加に結び付けようと、県、市町や観光関連業界など県内各方面から官民百三十余りの団体が結集して昨年九月、「大河ドラマ『龍馬伝』県推進協議会」(会長・金子原二郎知事)が結成されている。観光客誘致に県内関係者が一致団結、総力で取り組む意気込みだ。
同協議会は先週開いた第二回会合で、具体的な事業計画を策定した。それによると、取り組むべき事業の柱を(1)パンフレット、ガイドブック、キャラバン隊などを通じた観光宣伝、誘客活動(2)旅行代理店やメディア関係者との連携強化(3)インターネットを活用した観光情報発信(4)現地ロケに対する支援―の四つに設定。相乗効果を発揮させながら、観光客誘致の大きなうねりをつくりだす計画だ。
ドラマでは龍馬の出身地、高知県も舞台となるため、同県とのタイアップ事業も検討されている。
昨年の大河ドラマ「篤姫」では、篤姫ブームが巻き起こり、鹿児島県内の「篤姫館」などに観光客が殺到した。本県でも、ブームを確実に誘客に結び付けることのできるような楽しい仕掛けが必要だ。また、訪れた観光客をリピーターとして呼び込めるよう、観光商品、接客などに工夫を凝らし、全体として「観光の質」をレベルアップさせておく必要もあるだろう。
もちろん、ブームを一過性のものに終わらせてはならない。「龍馬伝」放映を機に、永続的な観光浮揚を目指すべきだ。今年は、その土台を築くための重要な年である。(高橋信雄)
(2009年1月25日長崎新聞掲載)
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