長崎新聞社 こどもパーク

1月26日長崎新聞掲載

読みごろ絵本
パシュラル先生
     心静かになれる世界
はらだたけひで作・絵
(すえもりブックス、1200円)
 この本は以前私が大病(たいびょう)を患(わずら)って入院していたときに、知人の編集者(へんしゅうしゃ)さんからプレゼントしてもらった絵本です。そのころ、私は突然(とつぜん)自分に降(ふ)りかかってきた運命(うんめい)にくじけそうになり、悲観的(ひかんてき)な日々を病院(びょういん)のベッドで過ごしていました。この本は二十数ページのあっという間に読めてしまうような絵本ですが、その中に広がる世界の奥深(おくぶか)さ、人の一生を軽く超越(ちょうえつ)してしまうような時間の流れに、乱(みだ)れていた心は知らず知らずのうちに静かになり、肩の力を抜いて歩いていけるようになりました。以来、この絵本はいつでも私のそばにあり、好きな時にすぐに読めるようにしています。

 「パシュラル先生」は、フランスの哲学者(てつがくしゃ)ガストン・バシュラールをヒントに描(えが)かれています。つるつる頭にひげもじゃ眼鏡(めがね)の小さなパシュラル先生が、その思想(しそう)の中で海になったり、森になったり、光る石の歌を聞いたりします。詩のような文章に、淡(あわ)い水彩画(すいさいが)でちょっぴりユーモラスに描かれているパシュラル先生は、まるで日常生活(にちじょうせいかつ)に潜(ひそ)むエアポケットのように、深淵(しんえん)な世界を描き出しています。

 あなたのそばにもぜひおいてほしい絵本です。

(JPIC読書アドバイザー・鈴木綾子)

絵本 中
絵本表紙








おえかきランド

おえかき
さるが すき
長崎市・皓台寺幼稚園
廣石まこ
おえかき
土の中には、へやがある
ひとつひとつへやがある
ときどきノックする
「ガチャ」
と音がする
なかまに会ったそれから土のトンネルであそぶ
土の世界はおもしろい

土の中の世界
長崎市立桜町小4年
橋口敬(ポエムも)







童話の森
ボビー様
文と絵 松本明日香

 毎日決(き)まった午前十一時半になると、大きな大きな音で、おなかが「ドンドン」なってしまうのだった。

 中学一年生のアリスちゃんはこれが最大(さいだい)の悩(なや)みだった。しかも、大好きな、ヒカル君は、となりの席(せき)でものすごく、はずかしかった。

 みんなのおなかは、ふつう、「ギュルルルル」とか「グルグル」とか「ゴロゴロ」みたいな感じじゃないかな。だけど、アリスちゃんは、「ドンドン」という、大きな大きな“たいこ”の音で、直径(ちょっけい)十メートル以内の人には、みんな聞こえてしまうのだった。しかも、いじわるグループのリーダーのモモちゃんは、わざと「あっ、たいこの音が聞こえる」と大きな声で言うのであった。

 ある日のこと、アリスちゃんのおなかから「ソイヤソイヤ」とか「ハイハイ」などという“かけ声”が聞こえてきたのだった。アリスちゃんは、とーってもびっくり。ただでさえ、たいこのようなおなかの音なのに、かけ声までなんて…と思いながら、なにかがおかしいことに気がついたのだった。

イラスト  「もしかして、おなかの中に…人がいるのかも」と思った時に、おなかから「そのとおりや! やっと気がついたな。おれは、鬼(おに)のボビー様(さま)だ。よろしくたのむ」。

 「ちょっと何よ。あなたは…」

 「だからボビー様だよ」

 「そういうことじゃなくて…。もういいよ」

 アリスちゃんは、あきれぎみだった。すると、すごくおなかがいたくなった。モアモアとした、けむりの中から、ボビーが大きくなって出てきたのだった。だけど、たいこは出てこられなかったのだった。

 つぎの日、もう安心(あんしん)していたアリスちゃんだったのだが…なっなんと、「ポロンポロン」というたいこ? というかちょっとちがう音が、午前十一時半にかならず鳴(な)ってしまうのだった。

 ボビーはというと…。とってもいじわるなモモちゃんのおなかが、「ドンドン」となったのだった。(五島岐宿町立岐宿中2年)





ニ ュ ー ス を 知 ろ う  長崎新聞から

ウサギお引っ越し
 北松世知原町の県立世知原少年自然の家が、3月末で休校する高知県の野老山(ところやま)小の全児童9人が飼育(しいく)しているウサギ=写真=を引き取ることになりました。児童や保護者ら約20人が来月、お別れ旅行を兼(か)ねてウサギを自然の家に届けます。同小の校長が知人が働く自然の家を訪れた際(さい)、そこで飼(か)っていたウサギが死んだことを知り、ウサギの受け入れを頼(たの)んだそうです。子どもたちはバザーを開き、旅費(りょひ)をつくりました。(22日15面)

ニュース写真
 
「絵日記展」始まる
 アジアの22カ国・地域(ちいき)の子どもたちが作った絵日記(えにっき)を展示する「アジアの子どもたちの絵日記展」が長崎市淵町の三菱重工総合体育館で開かれています。来月1日まで。ユネスコによると世界の文盲者(もんもうしゃ)の73%をアジアが占めており、主催(しゅさい)の三菱広報委員会が識字率向上(しきじりつこうじょう)を支援(しえん)する取り組みとして1990年から絵日記を募集。昨年までの応募(おうぼ)は約28万点になるそうです。入場無料。(22日12面ほか)


ランタン街を彩る
 冬の長崎を華麗(かれい)な光で彩(いろど)る「2004長崎ランタンフェスティバル」が長崎市内で始まりました。市内のあちらこちらに約1万2000個のランタンが飾(かざ)られ、湊(みなと)公園など各会場では竜踊(じゃおど)りや中国雑技(ちゅうごくざつぎ)、中国の民族(みんぞく)音楽の演奏などがあり、街(まち)は中国色に染(そ)まっています。  2月1日は媽祖(まそ)行列や手作りランタン体験(たいけん)コーナーなどもあり、にぎわいます。2月5日まで。(22日24面ほか)



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