長崎新聞社 こどもパーク

12月22日長崎新聞掲載

読みごろ絵本
月夜のみみずく OWLMOON
     心がすーっと落ち着く
ヨーレン詩、くどうなおこ訳、
ショーエンヘール絵
(偕成社、1200円)
 この季節になると、夜の読書が楽しくなるものです。温かい毛布にくるまって、ミルクティーを飲みながらお気に入りの本を読む…。幸せですね。そんな季節にぜひ読みたい本です。

 ある冬の夜、父さんと私は“みみずく”探しに出かけます。静かな夜です。月の光が雪にキラキラと輝き、遠くで汽笛が聞こえます。父さんと私は静かに歩いて、歩いて…。父さんがみみずくの鳴きまねをします。

 
 「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーーーう」

 「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーーーう」

 
 すると、やがて、みみずくが目前にあらわれます。少女の息づかいと胸の鼓動が聞こえてくるような不思議な感覚におそわれます。

 テレビをはじめ、ガヤガヤ何かと騒がしい昨今。こんな絵本を読むと本当に心がすーっと落ち着きます。

 きっとあなたの宝物の絵本となることでしょう。プレゼントにも最適です。

(JPIC読書アドバイザー・鈴木綾子)

絵本 中
絵本表紙








童話の森
星花の見つけ方
文と絵 上川由美子

 「星花(せいか)って花を知ってる?」って、お姉ちゃんが聞(き)いてきます。ミオは「え? そんな名前の花って聞いたことがないよ」。するとお姉ちゃんが教(おし)えてくれました。

 「ミオは夜空(よぞら)の星(ほし)が大好きだよね」。ミオはそれに答えます。「うん! だけど流(なが)れてしまう星ってあるもんね。あれが悲(かな)しいの」。「その流れ星が、人の願(ねが)いをかなえてくれるのは知ってるかしら?」。「うん、この前、お母さんに聞いたんだよ」。お姉ちゃんが言います。「その星はね、地上に落ちて星花って花になるんだよ。そしてまた願いごとをかなえてくれるの」。ミオはビックリしました。そしてこう言います。「それって、どこに咲(さ)いてるの?」。お姉ちゃんはしばらく黙(だま)ってこう言いました。「何か、お願いしたいことがあるの?」。ミオはすぐに答えました。「おばあちゃんが病気(びょうき)で死(し)んでしまいそうだもん。だからミオはお願いしたいの。おばあちゃんのこと」。お姉ちゃんは「ミオは“おばあちゃん子”だもんね。でもね、星花は誰(だれ)にでも見えるところには咲いてないんだよ」。そして、つけ加えます。

イラスト  「人ってね、年をとったらどうしても死んじゃうの。それは誰にも何もできないの。だけど星花だったら、きっと安らかな死に方をさせてくれるわ」。ミオは聞きます。「安(やす)らかな死って何?」。「苦しまなくて幸せに包(つつ)まれて死ねるの」。ミオは答えます。「そんなんだったら早く星花を見つけなきゃ! 星花の咲いてるとこは、どこにあるの?」。お姉ちゃんは答えてくれます。「それはね…」。

 動物(どうぶつ)や植物(しょくぶつ)に話しかける勇気(ゆうき)を持つこと。動物たちはさりげなく答えてくれているんだって。だけど心から話しかけないと無理みたい。そうしていくうちに、自然と動物や植物にやさしい心になるそうです。星は神様(かみさま)からこう言われて星花になったみたいです。「今は動物や植物がいるのに人間が大きな顔(かお)をしておる。しかしみんなが仲良(なかよ)くなれるのをワシは願っているんじゃ。そういうふうにできる子供の願いを、花になってかなえておあげ」って。

 ミオは言います。「動物にも、植物にもやさしくするんだね」。お姉ちゃんは笑って、こう言います。「そういう子には、必ず星花が見えるからね。ミオはやさしいから、きっと大丈夫(だいじょうぶ)だよ」って。 (長崎市滑石1丁目、37歳、無職)





ニ ュ ー ス を 知 ろ う  長崎新聞から

「平和の小道」設置
 子どもたちの足跡(あしあと)を素焼(すや)き陶板(とうばん)にして道を造(つく)り、平和を訴える「平和の小道」が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアム前庭(まえにわ)に設置(せっち)されました。平和の小道はイラン出身の現代美術家(げんだいびじゅつか)、ホセイン・ゴルバさん(47)=イタリア・ミラノ在住(ざいじゅう)、写真=が呼(よ)び掛(か)けているアート「足跡プロジェクト」の一環(いっかん)。今年9月に同市の爆心地公園(ばくしんちこうえん)で県内の2―12歳の子ども40人の足跡を粘土板(ねんどばん)に採取(さいしゅ)、作り上げました。40人の足跡が右、左と歩くように並べられています。 (17日10面)
ニュース写真
 
城島選手と触れ合う
 佐世保市出身のプロ野球ダイエーホークス、城島健司(じょうじまけんじ)選手(27)の講演会(こうえんかい)が同市の市民会館であり、小、中学生とその保護者(ほごしゃ)約1500人が郷土(きょうど)のヒーローと触(ふ)れ合(あ)いました。城島選手は「何をするにも自分を信じ、誰(だれ)にも負けないという強い気持ちを持って取り組んで」と訴(うった)えました。同じ捕手(ほしゅ)をしているという小学4年の子どもは城島選手と握手(あくしゅ)。「手が硬(かた)くて厚(あつ)かった」とうれしそうに話していました。(16日13面)



勇気もらった恩返し
 佐世保市のケーキ職人(しょくにん)、木原豊さん(56)が、保育園児らにクリスマスケーキ作りを体験(たいけん)してもらうボランティアに取(と)り組(く)んで約10年。店や工場(こうじょう)などを火災(かさい)で失(うしな)った今年も「勇気(ゆうき)づけてくれた人たちへの恩返(おんがえ)し」とボランティアを続けています。「子どもたちの喜ぶ顔が見たい」と障害児通所施設(しょうがいじつうしょしせつ)「すぎのこ園」を訪問。喜(よろこ)んでケーキを飾(かざ)り付(つ)ける子どもを見て「私にはケーキしかない。これからも頑張(がんば)りたい」と話していました。(17日12面)



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