長崎新聞社 こどもパーク

11月24日長崎新聞掲載

読みごろ絵本
「カール デパートへ行く」
   絵だけで楽しさ伝わる
アレクサンドラ・デイ
(すえもりブックス、税別1600円)

 この絵本、文章が出てくるのは最初と最後のページだけなんです。というのも、主人公は赤ちゃんとカールという名のとても利口で大きな黒犬なんです。

 ある日、カールと赤ちゃんは、お母さんと一緒にデパートへ行きます。お母さんは自分の用事がすむまで、おとなしく一階で待っているようにカールに言いつけて出かけてしまいます。ところがお母さんの姿が見えなくなると、ベビーカーの中の赤ちゃんはむっくり起き上がって、カールの背中に乗ってデパート探検に出かけてしまうのです。

 カールは赤ちゃんを楽しませようと大奮闘。おもちゃ売り場では赤ちゃんをおもちゃの車に乗せてあげたり、試食品コーナーでは赤ちゃんのためにおやつをもらってきたりします。どうもこの二人、デパート探検は今回が初めてというわけではないみたいです。

 ところが大変! お母さんがエスカレーターで一階へ降りようとしている姿を見かけると、急げや急げ、エレベーターで大急ぎで降りると、赤ちゃんをベビーカーの中に戻して、何食わぬ顔してお座りしているのです。戻ってきたお母さんがカールに言います。「おまちどうさま、おまえはほんとうにかしこい犬ね」

 文章はなくても、絵だけでその楽しさが伝わる面白い絵本です。 (JPIC読書アドバイザー・鈴木綾子)

絵本 中
絵本表紙








おえかきランド

おえかき
シュート!!
長崎市立諏訪小1年
田中倫太郎
おえかき
セーラームーンがすきなの
長崎市・晧台寺幼稚園
川添かなつ
おえかき
おはながすき
長崎市立諏訪小1年
廣石ちか







童話の森
パレードの少年の話
文と絵 伍田かほり

 おじいさんが死(し)んだ。

 町で一番の人気者(にんきもの)の、やさしいやさしい人だった。

 少年は、おじいさんの孫(まご)。赤んぼうのときに両親(りょうしん)を亡(な)くし、たった一人の肉親(にくしん)だったおじいさんに育てられた。

 少年は、動かなくなったおじいさんの横でひと晩(ばん)中泣(な)いた。おじいさんの名前をさけびながら、泣いた。

 少年は、おじいさんが大好きだった。やさしくて、たまに怒(おこ)って怖(こわ)かったけれど、またやさしく頭をなでてくれる。そんなおじいさんが、大好きだった。

 けれど、おじいさんはもういない。やさしい手も、もう頭をなでてはくれない。

 おじいさんが土にかえってからも、少年はお墓(はか)の前で泣きつづけた。

 
 「あんたのじいさんは、村の伝説(でんせつ)になったパレードの先頭(せんとう)だったんじゃよ」

 

イラスト  毎日泣きつづけてすっかり元気のなくなった少年に、村の長老(ちょうろう)のおばあさんが声をかけた。

 おばあさんの言葉の意味がわからずぽかんとしている少年に、おばあさんは言葉をつづけた。

 「じいさんは、あんたと同じように子どものころに一人になったんじゃよ。同じように、毎日毎日泣いてたねえ…。

 それが急(きゅう)に泣かなくなってさ。どうしたと思う?」

 「…?」

 「悲(かな)しいのは自分だけじゃない。悲しみの理由(りゆう)や大きさはそれぞれだけど、同じように悲しんでいる人はたくさんいる。

 そう言って、黄色(きいろ)の旗(はた)を持って一人で町を行進(こうしん)したのさ」

 おじいさんの笑顔(えがお)の裏(うら)には、悲しみがあったことを少年は初めて知った。そして、伝説に聞いた「黄色のパレード」を作ったのがおじいさんだと知って、おどろいた。

 
 一人だったら悲しいままさ。

 わかりあえる人たちに出会えたら、きっとまた笑えるだろう。


 少年は立ちあがった。

 もう一度、あのパレードを伝説にするために―。

(長崎市鳴滝1丁目、24歳、介護員)





ニ ュ ー ス を 知 ろ う  長崎新聞から

日本一のツリー登場
 南高北有馬町の町立北有馬小にモミの木など4本を使って、1万4000個の電球(でんきゅう)で飾(かざ)り付けた“日本一”のクリスマスツリーが登場(とうじょう)=写真=。一足早くクリスマスムードを盛(も)り上げています。町商工会(しょうこうかい)青年部などが、来月21日に開くクリスマスイベントに向けて7年前から取り組んでいます。ツリーの高さは約30メートル、幅約50メートル。「立ち木では日本一」だそうです。点灯式(てんとうしき)では住民のカウントダウンでスイッチが入りました。(18日9面)

ニュース写真
 
ロボットの性能競う
 第4回創造(そうぞう)アイデアロボットコンテスト県中学生大会が、西彼長与町の長与小体育館であり、中学生が工夫(くふう)を凝(こ)らした手作りロボットの性能(せいのう)や操作技術(そうさぎじゅつ)を競(きそ)いました。生徒たちは授業や放課後などを利用してロボットを製作(せいさく)。4部門に24校、165チームが参加しました。アイデアいっぱいの自慢(じまん)のロボットが性能を見事(みごと)に発揮(はっき)すると、観戦者(かんせんしゃ)から歓声(かんせい)が上がっていました。 (18日10面)

魚のさばき方学ぶ
 平戸市獅子(しし)町の市漁協(ぎょきょう)獅子事業所(じぎょうしょ)で「お魚教室」があり、市立獅子小の3―6年生26人が包丁(ほうちょう)で魚をさばきました。児童らは包丁の使い方を教えてもらいながら、ヤズ(ブリの幼魚)の三枚おろしや小アジの開き方を学びました。自分で調理(ちょうり)した刺(さ)し身とアジフライを食べた児童は「包丁で魚の身を切り分けるとき、骨(ほね)がいっぱいあってさばくのが難(むずか)しかった」などと感想(かんそう)を話していました。(20日14面)



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