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文と絵 隈部順子 チヨハナチチがまだ若かったころ、頭にはフサフサした髪の毛があった。クルクルパーマをかけていて、ちょっとかっこよかった。でも、不思議な力は持っていなかった。ただ普通のチチだった。 「今日は暑かけん外で焼き肉ばすっぞー」 チチは張りきって言ったが、ハハはまた嫌な予感がした。 「今夜は何がおこるのだろう」 夜、みんなが集まって焼き肉パーティーが始まった。ところが空がまたたく間に暗くなり、雨がザーザー降りだした。 「わー。こりゃたまらん」
みんなは屋根のある所までとりあえず逃げたが、雨はいっこうにやまない。それどころか、遠くで雷まで鳴りだした。「解散!解散!」 もう焼き肉どころではない。みんなは家に帰ってしまった。夜半、バラバラとすごい音がするので外に出てみると、何と!この季節には珍しく、ひょうが降っていた。 「やっぱりチチが何かしようとしたら絶対天気が悪くなる」 ところが、チチがフサフサした髪の毛を切ったら不思議な力が出てきた。天気予報で「この日は70%以上の確率で雨が降るでしょう」。そんな日にチチが何かしようと思っていたら、前日まで雨が降る模様でも当日になったら、みごとにお天気になってしまうのだ。もう昔の雨男のチチじゃない。チチはフサフサの髪の毛とひきかえに、お天気を味方にするようになったのでした。 「おいの行く所はどこでん晴れるとぞ」 それからチチはお祭りなどにひっぱりだこ。町の名物の晴れ男になった。それだけではありません。そこにチチがいるだけで明るく温かく優しい気持ちになれるのです。みんながチチの坊主頭に触れば健康で病気しらずになります。チチのおかげで町の人たちの寿命もぐんとのびました。 チチの坊主頭は今日も太陽のように輝いて、みんなに幸せを届けてくれます。みんなが幸せだと争いもおきません。そうです、チチは平和の使いでもあるのでした。坊主頭バンザイ。 (南高布津町、40歳)
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