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文と絵 小宮敬子 もうすぐ七歳(さい)になる萌(もえ)は、小さな庭に並ぶ七本のチューリップが大きくなるのを毎日楽しくながめています。 萌のおばあちゃんは七年前、春に生まれてくる孫(まご)のために、チューリップの球根(きゅうこん)をひとつ植(う)えました。 咲(さ)いた咲いたチューリップの花が… どの花見てもきれいだな… そう口ずさみながら、大事(だいじ)そうに土をかけました。生まれてくる子どもがどんな子であっても、かけがえのない小さな命(いのち)が生きていける平和な時代であるように願(ねが)いをこめながら、毎日水をかけました。
春になり、チューリップは赤い花をつけました。そして、赤いほっぺの元気な女の子が生まれました。家中に笑顔(えがお)がひろがり、おばあちゃんはうれしくてたまりませんでした。病気(びょうき)にならないように、けがをしないようにと、女の子の成長を見守っていました。秋になると、またひとつチューリップの球根を植えました。そうやって、毎年ひとつずつ球根が増えていきました。萌はおばあちゃんと一緒に、花が咲くのを待ちながら、すくすく大きくなっていきました。「どの花みてもきれいだな…」という歌詞(かし)を「どの子もみんなかわいいね」と歌って、萌の友だちを喜(よろこ)ばせました。 七つ目の球根は、萌がひとりで植えました。「こんなに大きくなってよかった、よかった」。おばあちゃんはうれしそうに見ていました。萌の手の中で球根は大事そうに守られて、そっと土の中へ…。 「世界の子どもたちが、しあわせになりますように」。萌の口から出た言葉を聞いて、おばあちゃんはびっくりしました。「まあ、そんなむずかしいことを」。おばあちゃんの声を聞いて萌は、てれくさそうに言いました。 「だって、保育園(ほいくえん)で読んだ本に書いてあったんだよ。ごはんを食べられない子が、いっぱいいるんだって。病気になっても薬(くすり)もないんだって」 おばあちゃんは、うなずきながら萌の話を聞いていました。 「チューリップが七本咲いたら、虹(にじ)と同じ七色だね。虹のように世界にかかって、空に橋(はし)がかかれば、世界の子どもたちと手をつなげるのにね」 咲いた咲いたチューリップの花が… どの花見てもきれいだな… 萌は歌を歌いながら、静かに水をかけています。どんな色の花が咲くのか、お楽しみに! (対馬美津島町、43歳、主婦)
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