挿し木
芽が伸びたら鉢へ
晴れた日は汗ばむ季節になりました。植物も生育が盛んになる時期です。観葉植物(かんようしょくぶつ)は挿(さ)し木、株分(かぶわ)けなどで増やすことができ、五月から夏休みにかけては挿し木に適(てき)したシーズンです。 挿し木は植物の茎(くき)を切り取り、土に差し込んで根を出す方法です。茎を切り取ったらまず、十分に水を吸わせます。水分の蒸散(じょうさん)を少なくするため、葉の数を減らしたり葉の面積が小さくなるよう切りましょう。
挿した茎から新しい芽が伸び始めたら、鉢(はち)に植え替えます。このとき、茎を用土から引っ張って抜くとせっかく伸びた根が切れてしまうので、根は周囲の土ごと掘り取ってください。 観葉植物の中でもよく見掛けるポトスやアイビーは、コップに水を入れ挿しておくだけで簡単に根が出ます。茎が伸び切って全体の形が悪くなったものは、伸びた部分を切り取ると残った株から新しい芽が出て形が整(ととの)います。また切った茎も水に挿しておけば、また根が出ます。ハーブも挿し木で増やせますので、挑戦(ちょうせん)してみてください。(北松農業高校施設園芸科教諭・三宅留美)
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文と絵・川上佳代子 ヒヒーン山にすむ馬三兄弟、馬八、馬吉、馬郎。今日は親から旅立つ日。それぞれ首におにぎりくくって、涙(なみだ)ぐむ母を背に勇(いさ)ましく山をおりて行く。目指すはニンジン山。一人前になるために。 「あ、いけねぇ。ブラシ忘れた」と馬郎。慌(あわ)てて家に戻(もど)ろうとする。「ばっかやろう! 戻るやつがあるかってんだい。ブラシなんかどこにでも売ってるってんだい」。馬八はかまわず歩く。「そうだよ、ばーか! んだから末っ子はよう」と馬吉。馬八の後ろにぴったりついて馬郎にアッカンベー。「あー、待ってよ」。馬郎はいつも足手まとい。 大分歩いたので休憩(きゅうけい)。馬郎の姿(すがた)はない。かまわず兄二人はおにぎりにがぶり。「うめえな…かあちゃんの作ったおにぎり」。馬吉はしみじみとヒヒーン山を見つめる。「おめえまさか、かあちゃんが恋しくなったのか? 男のくせに情けねえってんだい」と馬八がちくり。「そんなんじゃないって」と言いながらも馬吉、何だか元気がない。「おれは大工に、おめえは寿司職人(すししょくにん)、馬郎は美容師(びようし)を目指す。里帰りはおれたちが一人前になったときだ」と馬八はさすが長男。
日も落ち、辺りがだんだん暗くなり出した。それでも馬郎はまだ来ない。「あいつ何やってんだ、まったく」。馬八は後ろ足で土をけり上げる。「もしかして、ブラシを家に取りに戻ったんじゃ」と馬吉がぽつり。「家に?」 「今ごろかあちゃんの作った豚汁(ぶたじる)でも食べてるんじゃ。にいちゃん先に行っててくれよ。おれ、馬郎を連れてくっから」 「それなら長男としておれが行く。おまえこそ先に行ってろ」 「あー、まさかにいちゃん、母さんが恋しくなんたんだろ」 「違(ちが)う!おまえこそかあちゃんに会いたいんだろ」 そこへ馬郎が現れた。兄二人はぽかーん。 「ごめん、遅くなって。途中で道に迷ってさ。二人ともどうしたの?そんな顔して」。 兄二人は今、猛烈(もうれつ)に母に会いたい。「そういえばおまえ、ブラシはもういいのか? 今なら取りに帰ってもいいぞ」。馬八兄さんは言ってしまった。 馬三兄弟、ニンジン山を背に目指すは母のぬくもり、もう一度。 (長崎市横尾2丁目、49歳、主婦) |
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