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文・酒井伸子 絵・白倉麻理江
「早く公園へ行こう」 三つになるあやちゃんが、おじいさんの手をひっぱります。 「そうだね…」 おじいさんはあやちゃんの手を取ると、歩き出しました。やがて公園へ着くと 「おねえちゃんたち、ご本読んでるね、おじいちゃん」 公園のベンチで本を読んでいる女の子たちを見て、あやちゃんが言います。 「ほう、感心(かんしん)だね」
おじいさんはにこにこ顔。そのとき、「キメラ、キメラ…」 女の子たちが声を出して読み始めました。 「キメラってなーに、おじいちゃん?」 あやちゃんがたずねます。 「さーね」 おじいちゃんは首をかしげながら、あやちゃんとそばのベンチに腰(こし)かけました。そして、 「そういえばあやちゃん、昔のギリシャのお話にキメラっていうかいじゅうが出てくるんだよ…」 おじいさんが話し出しました。 「そしてね、このかいじゅうは頭がライオン、体がヒツジ、しっぽがヘビだったんだって」 「へえ」 あやちゃんが答えると、 「ふーん、そんなかいじゅういたの」 「変なかいじゅう、でも私たちもかいじゅうの本読んでるのよ」 二人の女の子が近づいてきて、本を開いておじいさんとあやちゃんに見せます。 「そうかい、みんなかいじゅうが好きなんだね」というおじいさんに、「うん、おもしろいよ」とにこにこ顔の女の子。 「そう、本を読むことはすごくいいことだよ。これからも本を読んでいこうね」と、おじいさんがやさしく言うと、「わかってる!わかってる!」と笑いながら女の子が答えます。 「そうかい、そうかい。じゃあまたね」 おじいちゃんとあやちゃんが立ち上がりました。 「おねえちゃん、バイバイ」 手をふるあやちゃんに「バイバイ、またね」と女の子たちも手をふりました。 (西彼長与町三根郷、64歳、主婦。絵は孫、12歳) |
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