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文・川崎峰子 絵・馬場詩緒里 今年もメグは一人、夏休みにおじいちゃんのいなかに来ました。 ある日、散歩(さんぽ)の途中(とちゅう)のくさむらの中で、小さな野ウサギがぐったりしているのをみつけました。メグはそっとウサギを抱(だ)きかかえて帰(かえ)り、手当てをして、元気になったウサギを森に帰してあげました。ウサギは「ありがとう」というように何度も振(ふ)り返り、森に消えていきました。 おじいちゃんの家はとても楽しかったけど、何日も過ぎると、メグはパパやママに会いたくなって少しさびしくなっていました。 十五夜の夜です。メグが寝(ね)ていると、トントンと窓(まど)をたたく音がします。窓を開けると、助(たす)けてあげたウサギさんがいました。 「ぼくの背中(せなか)に乗(の)って。パパとママに会わせてあげるよ」 いつのまにかメグは小さくなり、ウサギさんと一緒(いっしょ)にお月さまに向(む)かってふわふわと空高く登っています。二人はお月さまの中にすーっと入って行きました。
明るく雲(くも)一つない満天(まんてん)の星空。下を見ると影絵(かげえ)のようにあかりが美しく、海はキラキラと青く光っています。まるでピーターパンになったみたいです。ウサギさんが言いました。「メグのマンションだよ」。カーテンが少し開いて、柔(やわ)らかいあかりが部屋からもれています。お月さまはメグが見やすいように、マンションの窓へそっと光を投げかけてくれました。 リビングではパパとママが、「メグ、どうしてるかな。二人だとつまらないね」と話しています。メグも同じです。「三人じゃなきゃ、さびしいよね」と思いました。 夜も更(ふ)け、リビングのあかりも消え、お月さまも西に傾(かたむ)きました。ウサギさんとメグはお月さまに「さよなら」を言って、おじいちゃんの家に帰りました。 お日さまが顔を出し、明るい日差しでメグは目覚(めざ)めました。なんだか夕べ、パパとママに会ったような気がします。ウサギさんがお礼に、会わせてくれたのでしょうか。 満月の日。お月さまの中には、ウサギさんとメグがいるかもしれません。よく見てごらんなさい。 (南高国見町神代甲、68歳、主婦。絵は孫、11歳、東京都八王子市立山田小6年) |
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