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文と絵 田口郁美
「おかあしゃーん」。今日も元気にお母さんを呼ぶいっちゃんの声が聞こえます。いっちゃんは一歳八カ月の女の子。いろんなことに興味(きょうみ)があります。お母さんは洗濯(せんたく)中。まだいっちゃんの相手はできそうにありません。じゃあ、いいや。とりあえずテレビを「おかあさんといっしょ」にして。そうそう、これこれ、楽しい楽しい。 体を右に、腰(こし)を左に、お手手を上に。きゃっ、きゃっ、楽しいよ。いっちゃんは右足を上げてゆらーりリズムにのって、今度は左足を上げて。あはは、おもしろい。 「ワンワン」。お庭で黒ラブのへいちゃんが楽しげないっちゃんに話しかけています。「へーちゃん、うるしゃい」。だれのまねなのか、いっちゃんは一人前に怒(おこ)っています。へいちゃんは「おらの方が、この家に来たのは早いんだぞー」と、ちょっとにらみを利(き)かせています。
あれっ、いっちゃんはもういません。「おかあしゃーん」。今度は階段(かいだん)の下からお母さんを呼んでいます。「はいはい」。お母さんが洗濯物を干して降りて来ました。お母さんがいっちゃんを優しく抱き上げました。あれあれ、いっちゃんはおねむになったのかな。指をちゃぷちゃぷおしゃぶりし始めました。「気持ちいい」。お母さんに抱っこしてもらうとなんだか幸せ。お目目がトロン、お昼寝タイム。お目目が覚めたら、もう夕方。お庭でへいちゃんがクンクンと、なにやら催促(さいそく)。お散歩だ! 帽子をかぶって準備(じゅんび)OK。「いこーかー」。お母さんに手を引かれてお散歩。いっちゃんはこの時間が大好き。「A、C」。うまく「A、B、C」と言えないけれど、「A、B、C」の歌が大好き。お母さんに何度もリクエスト。二人の歌声が田んぼのあぜ道に響(ひび)きます。 向こうからお父さんが走ってきました。「おとうしゃーん」。三人と一匹で夕日に向かってのお散歩。帰ったらお父さんとおふろだ! おふろからもいっちゃんの元気な声が聞こえてきます。「いちっ、にぃ、さん…じゅうっ」。 今日も楽しい一日でした。 (長崎市弥生町、37歳、看護婦) |
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