昨年の長崎原爆の日、来崎した鳩山由紀夫民主党代表は、非核三原則の法制化について「しっかり検討することをお約束したい」と述べた▲3週間後に迫った総選挙で優勢が伝えられた野党党首の積極発言だが、ひどく軽い言動にも映った。案の定、東京に帰ると「検討はしたいが、本当になじむかは検討の中で議論したい」と意味不明の釈明でトーンダウンし、次期首相は被爆地での信用を落とした▲鳩山政権発足から半年。普天間問題をはじめ、首相の発言は揺れる。首相が学者時代に書いた論文から、数学的に、日々の状況という変数によって、解がその都度変化するのは当然で、本人は「ぶれ」と認識していないと見る分析もある(「文芸春秋」三月特別号)▲政府が核密約を認め、戦後史の闇の一つに決着をつけた。同時に非核三原則のうち「持ち込ませず」について、政府が米軍による持ち込みを黙認してきたのも確実になった▲首相は今後の三原則堅持を言明したが、これも随分軽い。世界の有事に米軍が行動を始めたら、日本に入港する米艦船の“中身”を検証できるのだろうか▲長崎で法制化を口走り、被爆者の期待をあおったことなどとうに忘れただろうが、今度はどうするのか。もう堅持と言うだけでは意味がない。法制化しないというのなら、それ以外の方法で「持ち込ませず」を担保する具体策があるかが問われている。(玲)
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