「文は人なり」という。幕末の長崎を舞台に活躍した坂本龍馬の手紙や文章は、おおらかで情熱的な龍馬の人柄を伝えて余りある▲龍馬が姉乙女に、愛するお龍を紹介する手紙がいい。「(お龍が)真の姉のように会いたがり候」「乙さんの帯か着物か、ひとすじぜひ御送り、(お龍に)つかわし候」。家族に加えてほしいと頼んでいるわけだが、それを婉曲(えんきょく)に表現するところが、いじらしい▲手紙では「日本を今一度せんたく(洗濯)いたし申し候」とも書いた。気宇壮大である。「世の人はわれをなにともゆはばいへ わがなすことはわれのみぞしる」の歌もある。信念の男だ▲海援隊の目的に「運輸、射利、投機」などを挙げ、船中八策では「万機宜(よろ)しく公議に決すべき」とうたった。新国家建設には経済力と近代的政治制度が不可欠と見抜いた龍馬。卓越した先見性だ▲残した言葉も面白い。西郷隆盛の人物像を「少しく叩(たた)けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く」と評した。その西郷から大政奉還後の進路を問われ、「世界の海援隊でもやりましょうかな」と答えた。どこまでも夢と冒険に生きる男であった▲読者の皆さま、あけましておめでとうございます。今年はNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放映で、「龍馬の長崎」が脚光を浴びそうです。この機に、われわれも、ふるさとを大きく叩いて大きく響かせ、「世界の長崎県」にしてみせましょうか。よい年でありますように。(信)
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