米国発の金融危機はあっという間に世界を席巻し、同時不況に見舞われたわが国も未曾有の経済悪化のなかにある▲メキシコに端を発した新型インフルエンザは、世界各国に感染者を広げて40の国と地域に及び、1万人にも達しようとしている。国内での感染者が確認された神戸市や大阪市などの公立小中高校、幼稚園では一斉に1週間程度の休校に入った▲今や経済にも新型インフルエンザにも国境はない。そういう時代に人類はいるということを、相次ぎ発生したふたつの事象は私たちに教えているのではないか。一方で新型インフルエンザは社会活動に影響を与え始めている▲休校になった子どもたちはその間、自宅から一歩も出るなといわれ、外で働らかざるを得ない母親はやむなく仕事を休むことにした、とラジオが伝えていた。神戸では銀行員の感染がわかり、支店の行員ら約60人が自宅待機になった▲関西から長崎市を訪れる修学旅行生のキャンセルも相次いでいる。マスク姿のあふれる光景は異様だが、手洗いの励行と同じく個人での感染防止策として不可欠だ▲先日の小欄でも紹介した長崎大学熱帯医学研究所教授で、「新型インフルエンザ−世界がふるえる日」(岩波新書)の著者でもある山本太郎さんは「国内感染はさらに広がる可能性があるが、その速度をどれだけ遅らせることができるかが課題となる」と指摘している。(憲)
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