幕末さるく編
 (2009年4月22日付)
 開国か、攘夷(じょうい)か、天下の情勢が風雲急を告げる中、坂本龍馬は土佐藩を脱藩する。国の進むべき道は、自分の取るべき行動は。龍馬は慎重に考え続けていた▲土佐を後にした龍馬は、いったん九州を遊歴、脱藩から約5カ月後に江戸に着く。陸路は徒歩だったから、歩きに歩いたものである▲「歩く文化」を称揚する教育学者の斎藤孝さんは「幕末の志士と呼ばれる人びとは驚異的な距離を歩いた。優れた人物に出会い、学ぶためには、長距離を歩く時間が必要であった」と指摘、龍馬の長旅についても「その膨大な距離と時間は、志を練るのに大きく役立ったと思われる」と記す(「身体感覚を取り戻す」NHKブックス)▲龍馬は新婚旅行で、お龍さんと霧島山に登っている。龍馬に遅れず登り切っているから、お龍さんも健脚だったようである▲そんな龍馬が長崎に来て、颯爽(さっそう)と街を歩き回った姿は容易に想像できる。長崎弁で「歩く」を「さるく」ということも、すぐに知っただろう。「ちょっと街をさるいてみるか」などといったかもしれない▲長崎市のまち歩き観光企画「長崎さるく幕末編」があす23日、スタートする。NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の来年放映に向け、今から「龍馬が歩いた長崎」をアピールし、観光客誘致を図るのが目的だ。もちろん、地元市民の参加も大歓迎。龍馬の気分で、お龍さんの気分で、街をさるけば、きっと新しい発見があるだろう。(信)


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