ラーメン店閉店
 (2005年10月4日付)
 長崎のラーメン好きの人なら誰でも知っているラーメン店一休軒が先月末で閉店した。長崎駅前の県交通会館裏手にあり創業は昭和35年。経営者姉妹は「年には勝てない。体調を崩してもう限界」と45年の歴史に幕を下ろした▲本紙地方版で閉店の話を知り、閉店前日に出掛けた。昼時より早めに行ったつもりだったが、店外に10人が列をつくっていた。待つこと20分。店内はカウンター10席、テーブル8席。客から贈られた花があちこちに飾ってあった▲名残を惜しんで駆けつけた客ばかり。それはラーメンをつくる手元を黙って見詰める雰囲気で分かった。「思い出ノート」に書き込む人の姿も。しっかりと味わって店を出るときには二十数人が並んでいた▲飲食店の閉店は哀感が伴う。佐世保市の老舗うなぎ屋の閉店のときもそうだった。その店でしか味わえないことを舌が覚えている。食べることは生活の一部であり、大げさに言えば人生の一ページ。その場がなくなることは感慨ひとしおだ▲起業、廃業は世の常とは言うものの営業の永久不滅は難しい。近所の店を振り返っても駄菓子屋、風呂屋、下駄(げた)屋は既になく、酒屋や米屋、理髪店、燃料店は数が随分減った▲営業を支えるのは人間。年月とともに変化する環境にいつまでも対応できるとは限らない。これも時の流れだろうが、なぜか食べ物の記憶は強烈に残る。おふくろの味をいつまでも忘れていないように。(貞)


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