カネミ油症発生から40年 被害の実相に光を


 一九六八年、本県など西日本一帯で深刻な健康被害を及ぼした国内最大規模の食品公害、カネミ油症事件は今年、発生から四十年が経過する。厚生労働省は二〇〇八年度、与党救済策に基づき、認定患者約千三百人らを対象に、協力金二十万円支給を伴う初の健康実態調査を実施する。患者らは、油症の全容が明らかになれば、治療研究や医療費支給の拡充などにつながると期待。一方で、複雑な被害の実相に本当に光を当てることができるのか、という不安も抱えている。(五島支局・山田貴己)


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 ◆ 新年度に健康実態調査 患者ら手法、設問に関心

 ◆ 「どん底」語るメスの跡 家族間にも認定の壁

 ◆ 発生から40年の動き


◎ズーム/カネミ油症事件とは
 1968年、カネミ倉庫(北九州市)製造の食用米ぬか油に、カネカ(大阪市)製造のポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入し発生した食中毒事件。五島市玉之浦町、奈留町など本県、福岡県など西日本一帯で健康被害が広がった。主因はPCBの熱処理で発生したダイオキシン類のポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)。被害者は皮膚、内臓疾患、しびれ、骨の変形、頭痛など全身異常を訴え、色素沈着の“黒い赤ちゃん”も生まれた。当時、約1万4000人が被害を届けたが、認定患者は約1900人(本県774人)、うち生存者は約1300人(同約580人)。

2008年1月4日長崎新聞掲載


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