実現に確かな手応え 厚労省訪問後に被害者ら
「厚生労働省は具体的な法案の検討に入っているのかもしれない」−。8日、本県のカネミ油症被害者や弁護士、支援者らは公的救済を求め、厚労省で足立信也政務官と面談(非公開)。被害者らは記者会見で、足立政務官が救済法の立法上の障害や国のスタンスなどに関し、幾つもの踏み込んだ質問を投げ掛けたことを明らかにした。
同行した保田行雄弁護士によると足立政務官は、国の責任のとらえ方、食品衛生法の枠では個人救済が難しいこと、過去の裁判で原告側が国への訴えを取り下げている点、さらに未認定問題やカネミ倉庫への対応などについて被害者側の意見を求めた。特に1968年に油症被害の拡大を防止できなかった国の責任を問うのか、当初は予想し得なかったダイオキシン被害に関して現在の国の救済責任を重視するのかなど、救済法の立法化に当たっての基本的なスタンスについてやりとりがあったという。
カネミ油症五島市の会事務局長の宿輪敏子さん(48)は「(政務官は)慎重だった」とした上で「本気で複雑な油症問題を理解しようとしている」、五島市出身で新認定訴訟原告の嶽博幸さん(53)も「真剣さが伝わってきた」と確かな手応えを感じた様子。
厚労省は2008年度に実施した認定患者対象の健康実態調査の結果を今月、公表する予定。保田弁護士は「調査結果で健康被害のひどさを国として確認すれば、責任論はともかく国は救済に向けて動きだすはず。幹事長室、厚労省政務官が油症の本格救済について正式に受け止めたことは大きな前進」と述べた。
2010年3月9日長崎新聞掲載
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