県が79人中9人を油症認定 少ないと基準緩和求める声
国内最大規模の食品公害、カネミ油症事件で金子原二郎知事は26日、県油症対策委員会の答申に基づき、本年度油症検診を受診した本県在住未認定者79人(前年度比3人減)のうち新たに9人(同4人増)を油症認定した。患者側からは認定数が少ないとして診断基準の緩和を求める声が相次いだ。
県によると、認定されたのは五島市玉之浦町の60代男性2人、同女性1人と80代男性1人、同市奈留町の60代男女各1人と70代女性1人、長崎市の50代女性2人。認定されると、医療費の自己負担分と通院の交通費を原因企業のカネミ倉庫(北九州市)が負担する。
認定診査につながる油症検診は県が毎年行っており、本年度は昨年8月に長崎、五島両市で実施。新認定9人のほか経過観察を5人とし、同委員会が26日付で答申。本県の認定患者数は計788人(死亡者ら含む)となった。
色素沈着の「黒い赤ちゃん」として生まれた玉之浦町の未認定の男性(41)は、ダイオキシン類の血中濃度などで患者を線引きする診断基準を批判し「昨年、経過観察だった家族は期待だけ持たされて今回も認定されなかったようだ。自分も含めていつまで却下され続けるのか」と憤る。奈留町の古木武次・油症新認定訴訟原告団長(79)は「40代の未認定の息子は足のひどいしびれを我慢して働いている。汚染油を食べたという家族の証言で認定するよう基準緩和すべきだ」と訴える。
県生活衛生課は「患者の苦しみは十分に分かるが、県としては(国の)全国油症治療研究班が定める診断基準の縛りの中でしか動けない」としている。
2010年2月27日長崎新聞掲載
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