カネミ油症を追う

「司法の正義問われる」 油症新認定訴訟本県原告ら憤りの声

 「司法の正義が問われる」−。油症新認定訴訟で被告のカネミ倉庫が、除斥期間の経過を理由に原告の損害賠償請求権の消滅を主張する書面を裁判所に提出したことが分かった29日、本県では原告や油症被害者から憤りの声が上がった。

 認定制度の診断基準にダイオキシン類の血中濃度が追加された2004年に油症認定された古木武次原告団長(79)=五島市奈留町=は「発症から認定までの36年間未認定であり、油症被害者であることさえ認められていなかった。その期間を除斥期間と考えるとはひどい。裁判所がカネミの主張を取り上げないと信じたい」と話した。

 カネミ油症五島市の会の宿輪敏子事務局長(48)は「次世代被害の懸念もある重大事件を引き起こした企業責任を全く感じていない証拠。新認定患者は認定される近年まで被害者として訴訟を起こすことさえできなかった」、諫早市の油症患者、下田順子さん(48)も「血も涙もないびっくりするような主張。加害企業としての自覚がみじんもない」と怒りをあらわにした。


2010年1月30日長崎新聞掲載


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