カネミ油症を追う

カネミ倉庫が損賠請求権消滅を主張 「除斥期間」経過を根拠に

 カネミ油症の新認定訴訟で、ダイオキシン汚染の食用油を製造販売した被告のカネミ倉庫(北九州市)が29日までに、不法行為から20年を経過すると損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の経過を根拠に、「原告らの請求は理由がない」とする準備書面を福岡地裁小倉支部に提出したことが分かった。

 民法724条で、不法行為による損害賠償請求権は、被害者らが損害および加害者を知った時から3年間行使しないと時効によって消滅し、不法行為時から20年を経過したときも同様と規定。この20年が、権利が存続する除斥期間で、権利を行使せず経過すると権利は自動的に消滅するとされる。戦後補償訴訟の国や、水俣病訴訟のチッソなども請求棄却を求める際の根拠としたことがある。

 食用油に有害化学物質が混入したのは1968年1月から2月で、同訴訟の提訴は2008年5月。原告は、約20年前に終結した油症裁判以降に油症認定された被害者ら48人(うち本県23人)で、大半は04年の診断基準改定後の認定。同社は書面で「(混入した)不法行為時から20年以上が経過していることは明らか」とし、除斥期間の起算点を油症発症時と考えたとしても提訴時には20年以上経過していると主張している。

 同社側の清原雅彦弁護士(北九州市)は「追加提訴がすべて出そろったので書面を提出した。いわゆる『時効』であり、法的には請求棄却の判決になるはず」と話す。これに対し、原告弁護団の古坂良文弁護士(五島市)は「加害企業が除斥期間の経過を主張すること自体、許し難い」と批判。原告側は今後、反論の書面を提出する。


2010年1月30日長崎新聞掲載


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