疫学調査の必要性強調 カネミ訴訟口頭弁論
【福岡支社】カネミ油症の新認定患者がカネミ倉庫(北九州市)などに損害賠償を求めた集団訴訟の第6回口頭弁論が10日、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)であった。同社側の反対尋問で原田正純熊本学園大教授は、油症と個々の疾病の因果関係などを明らかにする疫学調査の必要性を強調。患者の症状は悪化しているとの認識を示し、同社側と対立した。
原田教授は、水俣病研究の第一人者。油症では、五島を中心に患者の検診、調査を重ねてきた。
油症の場合、皮膚症状以外は、がんや肝臓病など一般的な症状を一人で幾つも抱えるのが特徴。同社側は「患者の症状(の原因)が油症か加齢か医学的に説明はつくのか」などと質問した。原田教授は、油症との因果関係を明らかにする上で、油症被害の集団と被害のない集団の各種症状の発生率などを比較する疫学調査を実施すべきとし、「厚労省など国家レベルでやらなければ」と指摘した。
原田教授は、患者の病状が悪化している点も証言。同社側は「(発症から)40年もたって悪化しているのは常識から外れる」などとしたが、原田教授は「中毒は違う。例え毒物が体から排出されても症状は進行する」などと反論した。
裁判所は今後、原告側が申請している全原告48人(うち本県23人)の本人尋問を実施する見通し。うち一人は既に実施済み。来年、長崎、広島、小倉の裁判所と五島に裁判官らが出向いて個別に尋問する方向。次回は来年1月27日に進行協議。
2009年12月11日長崎新聞掲載
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