カネミ油症を追う

認定世帯に未認定45人 調査で「家族内で差」初めて判明

 【五島】五島市が進めてきたカネミ油症の未認定患者の実態調査が終盤を迎え、認定患者がいる市内122世帯の中に45人の未認定患者を確認したことが27日、分かった。市によると、同じ油を食べた家族内で認定、未認定に分かれる問題について、自治体の調査で人数が表れてきたのは全国で初めて。未認定のまま病気を抱え続けたり、差別を恐れ認定の前提となる油症検診を受けなかった状況もうかがえたという。

 市では1年前からメディカルソーシャルワーカーの谷尾恵子さんらが認定患者がいる148世帯を対象に訪問調査。同日までに130世帯を調べ、122世帯から未認定患者の有無や健康状態、検診歴などについて回答を得た。

 市健康政策課によると、未認定患者45人のうち、検診を受けて認定されなかったのが27人、検診自体を受けていないのが18人。

 検診を受けた未認定患者では、近年になって受診し、油症の主因ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の血中濃度が通常値の域にとどまり、認定を却下される高齢者らが多いという。子ども2人が認定されたが自身は認定されず、甲状腺疾患やメニエル病などに苦しんでいる高齢者もいた。

 一方、油症に対する差別や偏見を恐れ検診を受けなかったり、親が「子どもは油症と関係ない」と判断したケースもあったという。谷尾さんは「病状が重い人ほど検診に行けない事実もある。検診のあり方を改善してほしい」と話した。

 未認定患者の調査については、県も約1400人に調査票を送付済みで、回収し本年度末までに集計する予定。市も残る18世帯を調査し、年度末までに集計を確定させる考え。市健康政策課の吉谷清光課長は「県と連携し調査結果を国に伝え、認定基準の見直しにつなげたい」としている。


2009年11月28日長崎新聞掲載


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