カネミ油症を追う

 県が未認定患者に調査票送付 独自に1400通、全国初

 カネミ油症の未認定患者の被害実態を把握するため、県生活衛生課は26日までに、県独自の調査票を未認定患者らに計約1400通、送付した。調査目的は、人数の把握や油症検診の受診呼び掛けなど。県によると、行政が未認定患者の調査を実施するのは全国で初めて。

 「カネミ油症に係る未認定者等の実態調査に関する『確認調査票』」で、質問項目はカネミ油を食べた場所、時期、当時の職業のほか、これまでの油症検診受診の有無、現在の健康状態、連絡方法など。

 汚染食用油を1968年ごろ摂取し、健康被害を受けながら油症と認められていない未認定患者は、全国で1万人以上いるとみられる。原因企業カネミ倉庫の医療費給付の対象から除外されており、国が昨年度実施した健康実態調査も対象外だった。認定制度の診断基準のため、同一家族内で認定、未認定に線引きされているケースも多い。

 県は本年度、過去の被害届や油症検診記録などを基に、未認定患者とみられる対象者約2千人をリストアップ。被害者が多い五島市の協力を受け、居住地のデータを整理した。このうち、本人や家族らから調査票送付の了承を得た五島市の約900人、同市以外の県内約500人に送付。認定、未認定患者の子どもも、これまでに油症検診を受けていれば調査対象とした。死亡者は除いた。

 県は、調査票の年内の返信を受けて集計し、必要な情報は厚生労働省に伝える。阿部省三県生活衛生課長は「政権交代で(患者救済が)どうなるか分からないが、国が動く一つの資料になればと思う」。平成生まれの2人の子どもあてに調査票を受け取った五島市出身の母親(認定患者)は「子どもには疑問に思う症状がある。2世、3世を含めて未認定の被害を明らかにし、救済のきっかけにしてほしい」と話した。


2009年11月27日長崎新聞掲載


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