カネミ油症を追う

藤野名誉院長が認定基準を批判 保団連が公害視察会

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油症の問題について語る藤野名誉院長=五島市中央町、観光ビル「はたなか」
 【五島】全国保険医団体連合会(保団連)は22日夕、五島市内でカネミ油症事件を対象とした「公害視察会」を開き、藤野糺・水俣協立病院名誉院長らが油症をめぐる問題をテーマに講演した。

 保団連は全国の医師、歯科医師約10万3千人で構成。公害をなくし環境を守る運動を進めるため毎年、公害視察会を開いている。五島市での開催は初めて。医師、歯科医師ら約40人が出席した。

 8月に五島を訪れ、患者を検診した藤野名誉院長は「カネミ油症の現況と人権」と題し講演。現行の診断基準について「家族で認定、未認定に分かれるのはおかしい。基準は(油症の主因)ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の数値に偏りすぎている」と批判した。

 このほか、吉谷清光市健康政策課長が市で未認定患者の実態調査を進めている点など支援活動を説明。新認定患者が加害企業カネミ倉庫と係争中の訴訟を担う古坂良文弁護士は、訴訟の経過を伝え、油症が水俣病や大気汚染、アスベスト(石綿)などと異なり、補償や救済の枠組みとなる法や協定がない点を指摘した。

 この後、出席者は▽全被害者対象の健康調査▽治療法開発の強化▽診断基準の抜本的見直し−などを求めるアピールを採択。近く厚生労働省などに送る予定。

 23日は五島市奈留島で油症被害者と交流する。


2009年11月23日長崎新聞掲載


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