カネミ油症事件をテーマに公開授業 22日・長崎ウエスレヤン大

| |
カネミ油症事件や紙野さんとのかかわりについて語る山城教授=諫早市、長崎ウエスレヤン大
|
カネミ油症事件をテーマにした公開授業「危機を生きる」が22日午前10時半〜正午、諫早市栄田町の長崎ウエスレヤン大・西山ホールで開かれる。福岡県の油症患者の生き方などを取り上げる山城順教授の講義「現代社会とキリスト教」の一環で、諫早市内の油症患者、下田順子さん(48)の講話もある。幅広い市民の参加を呼び掛けている。
山城教授は大卒後、信徒伝道者として福岡県内で活動していた際、敬虔(けいけん)なクリスチャンでカネミライスオイル被害者の会全国連絡協議会初代会長を務めた紙野柳蔵さんと知り合った。紙野さんは、全国統一民事訴訟第1陣の筆頭原告となり、被害者の先頭に立ってカネミ倉庫などの責任を追及。しかし、途中で原告を降り、同じ油症の妻、子どもと一家4人でカネミ倉庫正門前のテントに3年8カ月間、座り込みを続けた。2001年、88歳で亡くなった。
公開授業では、危機に遭った人は「分からない状態」から「連帯」まで八つのらせんの段階を上下しながら克服しようとする、と分析した「シューハート理論」を紹介。紙野さんの著書「怨怒の民」を参考に被害者の危機対処などを考察し、下田さんが油症体験と救済の課題などを語る。
山城教授は「下田さんの体験などを通じ、1968年の油症発覚からの41年間が何だったのかを考えたい。学生も感じ、考え、語り始めるだろう。命にかかわる重大事件であり、これからにつなぎたい」と話す。
授業後の正午〜午後1時、参加者との意見交換会があり、油症に詳しい下田守下関市立大教授、藤原寿和カネミ油症被害者支援センター事務局長らも出席する。
2009年10月19日長崎新聞掲載
|