カネミ油症を追う

五島でカネミ油症劇上演 モデルの患者女性「感無量」と涙

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油症の影響で鼻血が止まらない様子を表現する主役の洗川里紗さん(左)ら=五島市三尾野1丁目、福江総合福祉保健センター
 【五島】1968年10月10日のカネミ油症発覚から丸41年を迎えた10日、五島市のカネミ油症事件を考えるワークショップ(代表・宿輪敏子さん)は「食の安心・安全豊かな五島市大会」を同市内で開き、宿輪さんの同級生で油症被害者の40代女性=諫早市=の実話に基づく劇「沈黙の海」を披露した。約100人が来場した。

 劇は、汚染油を食べた女性と家族の苦悩の半生を描いた。女性は鼻血や吹き出物に苦しみ、同級生からは「鼻血ドバー」「あっちいけさ」といじめられる。苦しい日々を送り、女性は油を買った母親を「家族の体ばめちゃくちゃにされたとやろが」と責めるが、自分以上につらい思いをしている母親を見て後悔する。

 女性は自殺を考えたが「(加害企業の)カネミ倉庫に負けたことになる」と思いとどまる。終盤では、女性が再会した宿輪さんと被害者救済に立ち上がる。

 モデルの女性は「感無量。41年間を見事に演じてくれた」と涙声。劇づくりの中心だった福江小教諭の平山忠明さん(50)は「物語の力で油症問題が市民に広まっていけば。別の場所でもやりたい」と述べた。

 劇を見た市内の女性(72)は「感動した。油症は解決が長引いている。被害者全員が認定されるようになってほしい」と話した。

 このほか、福江中の塩竃憲治教諭(39)が油症や環境問題を生徒が学び、ごみの分別や食習慣の見直しなどできることを考えた取り組みを報告。特定非営利活動法人(NPO法人)大地といのちの会の中尾慶子理事が「免疫力を上げる食のあり方」と題し講演した。


2009年10月11日長崎新聞掲載


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