カネミ油症を追う

「今も被害続き深化」 原田教授が証言、カネミ油症新認定訴訟

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証人尋問後の会見で、診断基準の問題点などを説明する原田教授=北九州弁護士会館
 【福岡支社】カネミ油症事件の新認定患者がカネミ倉庫(北九州市)などに損害賠償を求めた集団訴訟の第5回口頭弁論が8日、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)であった。原告側証人として出廷した原田正純熊本学園大教授(75)は、油症発覚から40年以上経過した今も、健康被害が継続、深化している実態を明らかにした。

 原田教授は水俣病研究の第一人者だが、1974年から今夏にかけて五島を中心に油症患者の検診、調査を重ねた。原告側の主尋問で、患者の現状について「全身の疾病が続発、併発し、加齢とともに悪化している。肝臓障害、心臓疾患、貧血など1人がたくさん抱えている」などとし「自然界にない化学物質が人体に入り、遺伝子はどう処理していいか分からないから深刻」と解説。水俣病の有機水銀と比べ、油症の原因物質の体内残留が長いことも指摘した。

 認定制度の診断基準に関しては「人類がダイオキシンを食べた前例はなく、診断基準は仮説でしかない。それが権威を持ち定説になり、患者を切り捨てる役割を持った」と批判。「油症を追跡し、個々の症状にできる限りの手だてをするのが国家的責任。そうすることで有機塩素系化合物が人間に及ぼす影響のすべてが明らかになる。人類にとって非常に有益」と強調した。

 原告側は、全原告48人(本県23人)の本人尋問を長崎、広島、小倉の裁判所と五島の2カ所でするよう申請。採用されれば来年、裁判官らが現地に出向いて尋問する。次回口頭弁論は12月10日。原田教授に倉庫側から反対尋問がある。


2009年10月9日長崎新聞掲載


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