カネミ油症を追う

倉庫側が責任転嫁、カネカの過失主張 油症新認定訴訟口頭弁論

 【福岡支社】カネミ油症事件の新認定患者が汚染油を製造販売したカネミ倉庫(北九州市)などに損害賠償を求めた集団訴訟の第4回口頭弁論が6日、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)であった。倉庫側は、訴状に対する反論の書面を提出。事件の責任に関し、原因物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)を製造し熱媒体としての利用を同社に勧めたカネカ(大阪市)の過失と主張した。

 倉庫側は、カネカのPCBのカタログの▽金属腐食性がない▽毒性はほとんど問題にならない−などの記載を「信じた」とし、PCBの利用や蛇管腐食防止措置などをカネミ倉庫が講じなかったことは過失ではないとした。約20年前に終結した一連の油症裁判で倉庫側の敗訴は確定しているが、カネカの責任も争点の一つだった。

 倉庫側は賠償能力がないことを強調する一方、「一義的には責任は原因企業にある」とする国について、救済の手段を講じないのは国としての責任を回避しているとし、国による救済組織が確立すれば応分負担するとした。

 閉廷後、倉庫側弁護士は「今回訴訟で前の(倉庫側が敗訴した)裁判の効力は及ばない。だからもう一度やる」。原告側弁護士は「PCBの危険性を知らなかったし会社には金がない、では済まされない。深刻な被害実態を明らかにしていく。国の責任を持ち出すより、まず自社の責任を果たすべき」とした。

 同日、原告側は遺族を含む12人(本県3人)が第3次提訴し、原告は計48人(同23人)になった。今回で追加提訴は終了した。

 次回口頭弁論は、10月8日。原告側が申請した原田正純熊本学園大教授の証人尋問を行う。


2009年8月7日長崎新聞掲載


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