カネミ油症を追う

カネミ油症五島市の会事務局長・宿輪さん、被害実態語る 研修の新人官僚に

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宿輪さん(左)から油症の実態を聞く国家公務員の3人=五島市、福江総合福祉保健センター
 【五島】カネミ油症五島市の会事務局長の宿輪敏子さん(47)が17日、五島市内で、国家公務員I種試験に合格し今春採用された男女3人に油症被害の実態や救済策を訴えた。

 人事院主催の研修の一環で、3人は15日から同市で地方自治体の業務や課題を学んでいる。市は国の将来を担う3人に市内に被害者が集中する油症の問題も理解してもらおうと、宿輪さんに講演を依頼した。

 宿輪さんは、小学校入学時に家族で油を食べ、大量の目やにでまぶたが開かなくなり、歯を磨くと血が出るようになった状況や、母親が重篤な状態に陥ったことを説明。油症を隠し結婚したり、未認定で死亡した人が多数いることも伝えた。

 今も患者が吹き出物などの症状に苦しみ、子どもへの油症の影響も懸念されるなか、救済が乏しい点を指摘。国を挙げ治療法の確立に努めることや、全国どこでも治療が受けられる態勢が必要と訴えた。宿輪さんは「国も人がつくっている。皆さんは重要な役割を担うと思うが、私たちのような弱者のことを考えてほしい」と呼び掛けた。

 患者の調査を担うメディカルソーシャルワーカーの谷尾恵子さん(45)も「病と一生懸命闘いながら暮らしている人がいることを忘れず、仕事に生かしてほしい」と訴えた。

 3人は真剣に話を聞き、厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室の間宮弘晃さん(23)は「貴重な意見が聞けた。個人的には援助したい気持ちになった」と話した。


2009年6月18日長崎新聞掲載


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