東京で公害・薬害・職業病シンポ カネミ油症法、協定なく放置

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立ち遅れたカネミ油症被害者救済問題について語る宿輪さん(右)=東京千代田区、YMCAアジア青少年センター
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【東京支社】公害、薬害、職業病の被害者補償などの改善について考えるシンポジウムが三十日、東京都内であった。本県に被害者が多いカネミ油症に関しては補償、救済の法律や協定がなく、ほかの公害事件などと比べ、救済面で著しく立ち遅れていることが浮き彫りになった。
東京経済大、公害薬害職業病補償研究会が主催。被害者や支援者、研究者、学生ら約百人が出席。本県からは、カネミ油症五島市の会事務局長の宿輪敏子さん(47)が参加した。
シンポは、カネミ油症、水俣病、アスベスト(石綿)、サリドマイド、大気汚染について、五人の研究者が▽認定システム▽医療給付▽遺族に対する給付−など十二の共通項目で概要を整理し、比較しながら論議。救済制度はそれぞれ個別につくられてきたため、補償水準などで大きな格差があることが示された。
特にカネミ油症の状況は厳しい。救済・補償の枠組みについて、水俣病は公害健康被害補償法とチッソとの協定、大気汚染は同補償法、サリドマイドは補償協定、アスベストは労働者災害補償保険法か石綿健康被害救済法があるが、油症について下田守下関市立大教授は「法も協定もなく(和解とカネミの一部負担以外には)制度としては何もない」と報告。「(被害者は)放置され、今も諸問題が残ったまま」とし、カネミ倉庫だけでなく、カネカや国にも救済の責務がある点を強調した。
被害者からの訴えもあり、宿輪さんは「油症がいかに補償がないか分かった。油症の子孫への影響を考えると母として心配」などと涙ながらに苦悩を語った。
2009年5月31日長崎新聞掲載
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