カネミ油症を追う

本人尋問が五島で始まる 油症新認定訴訟

 カネミ油症事件の新認定患者が汚染油を製造・販売したカネミ倉庫(北九州市)などに損害賠償を求めた集団訴訟で、被害が集中した五島市の原告への本人尋問が24日、長崎地裁五島支部で始まった。

 本人尋問は4月以降、福岡地裁小倉支部、広島地裁であり、五島は3カ所目。27日まで4日間、非公開で行われ、五島市在住の原告20人のうち体調不良の2人を除く18人が出廷。福岡地裁小倉支部の荒井格裁判官が出張して担当する。

 原告弁護団によると、初日は2004〜09年に認定された60〜80代の男女5人が出廷。原告側は油を食べた状況や症状、カネミ倉庫に求めたいことなどを尋ね、被告側は症状について細かく質問したという。

 出廷した原告の1人、山下増市さん(78)=玉之浦町=は、油を食べた直後に倦怠(けんたい)感に襲われ、血尿やメニエル病などで長崎市の病院まで何度も通った。ひざの関節に痛みがあり、耳鳴りも続く。一方で、汚染油を摂取した妻と5人の子どもは認定されていないという。

 山下さんは「(本人尋問では)認定制度を変え、一人でも多くの人たちが認定されるよう要望し、カネミ倉庫には十分な補償を求めた。話すうちに涙が出た。裁判官もいくらか分かってくれたと思う。年を取り、先は短い。一日でも早く解決してほしい」と訴えた。


2010年8月25日長崎新聞掲載


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