カネミ油症を追う

家族内で認定に差 未認定患者「検診歴ない」87人

 五島市は24日、カネミ油症未認定患者の実態調査結果を発表した。調査に応じた141世帯の42%に当たる59世帯が、家族内で認定・未認定に分かれ、この中の未認定患者数は130人に上ることが分かった。

 認定患者のいる市内152世帯を対象に昨年度、調査。141世帯から未認定患者や認定につながる油症検診の受診の有無、病気などについて回答を得た。

 未認定患者130人のうち、検診を受けたことがあるのは43人にとどまった。うち39人がダイオキシン類の血中濃度値が検査項目に加わった2004年以降に検診を受けたが、認定されなかった。一方、検診歴のない87人のうち34人は「認定を希望していない」と答えた。

 市は「今も病で苦しむ人は認定を望み、健康に問題がないと思う人は望まない傾向があった」と説明。カネミ油症五島市の会の宿輪敏子事務局長は「油症に対する差別や偏見を恐れている実態も浮き彫りになったのでは」とみている。

 未認定患者78人は病状の有無などについても回答。自覚症状は全身倦怠(けんたい)感(29人)、頭痛(17人)、腰痛・関節痛(14人)の順で多かった。既往歴では肝臓・胆のう・脾臓(ひぞう)の病気が9人、現病歴では皮膚・つめの病気が8人でそれぞれ最多だった。

 市は近く県と国に結果を提出する予定で、「診断基準の改善に役立ててほしい」としている。宿輪事務局長は「検診を受けに来た人で汚染油を食べた事実があれば認定すべきだ」と話している。


2010年5月25日長崎新聞掲載


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