カネミ油症を追う

一刻も早く救済を 新認定訴訟、本人尋問始まる

 カネミ油症事件の新認定患者が、汚染油を製造・販売したカネミ倉庫(北九州市)などに損害賠償を求めた集団訴訟の第7回口頭弁論が8日、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)であり、原告への本人尋問が始まった。原告4人が複数の病に今も苦しみ、仕事や結婚に悪影響が及んだ状況を語り、早期救済を訴えた。

 五島市出身で千葉県市川市在住の会社員、古木和紀さん(51)は、事件当時は汚染油を食べた認識がなかったが、17年ほど前からたびたび頭痛に襲われ、呼吸困難にも陥り、救急車で運ばれる事態などが続いていると説明。健康問題で前の会社を辞めたことも語った。2006年に油症と認定され、自分の症状と「カネミ油との関連を考えざるを得なくなった」と述べ、「一刻も早く苦しむ人に補償してほしい」と主張した。

 福岡市の女性(72)は事件後、汚染油を摂取した母親から皮膚が黒ずんだ「黒い赤ちゃん」が生まれたことを報道で知り、「相手に迷惑がかかると思い、結婚をあきらめた」と苦悩を吐露。「早く決着をつけてほしい」と訴えた。

 原告は48人(うち本県23人)。原告弁護団によると、本人尋問は全原告に実施。来月下旬以降、広島地裁、長崎地裁五島支部などに裁判官が出向いて個別に行う見通し。また、五島市などの4人が追加提訴する方向で準備しているという。


2010年4月9日長崎新聞掲載


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