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川棚町長選出馬予定3氏は石木ダム「推進」 反対地権者、一票の投じ方模索

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川棚町長選の出馬予定者が「建設推進」を掲げる石木ダム問題。しかし、反対地権者の抗議で付け替え道路工事が中断するなど解決の糸口はみえない=同町石木郷
 東彼川棚町長選(12日投開票)は7日の告示まで1週間。これまでに出馬を表明している現職の竹村一義氏(63)、元町職員の山口文夫氏(63)、元県議の田口一信氏(61)は、いずれも県と佐世保市が同町に計画する石木ダム事業に推進の立場。同町の重要課題でありながら争点には浮上せず、反対地権者は一票の投じ方を模索している。(東彼支局・中山雄一)

 竹村氏は2002年の初当選から一貫して建設推進を表明。ただ「反対地権者も町民であり、対話実現を進めてきた。(着工実現への)強引さはなかったかもしれない」と振り返る。

 県と同市が昨年11月に実施した事業認定申請。竹村氏は申請方針を事前に決めた「調整会議」に地元首長として参加。「否定する立場ではない」と容認したが、用地の強制収用については「そこに至る前の解決を望む」と求めた。先月から開いている演説会でも「現場の町と県市では立場が異なる。町なりの方法で努力する」と繰り返している。

 これに対し、建設推進派の住民有志が08年に設立した「町民の会」会長を務める山口氏は、「石木ダムは町の重大問題。町長が積極的にかかわるべき」として現職の“慎重路線”を批判する。

 政策説明会でも「建設によって150億円分の公共工事が町内で展開される。経済活性化のチャンス」とメリットを主張。合わせて「公益性が認められれば地権者も話し合いに応じる」として、事業認定手続きの推移や国の動向を注視している。

 田口氏は「町民の生命財産を守るという治水の観点からダムは必要。町民同士の対話を促したい」と主張する。

 ただ、3氏とも「推進」を掲げつつ「わざわざ腫れ物に触れる必要はない」(ある陣営関係者)というのが本音のようだ。各陣営とも町内各地区を精力的に回っているが、反対地権者が集まる川原(こうばる)地区で演説会などを開く予定はないという。

 こうした状況に、反対地権者の男性(28)は「対話実現と聞き触りのいい言葉を並べているが、具体策はあるのか」と指摘。付け替え道路工事を座り込みで阻止し、中村法道知事との直接交渉が進む今、「相手はもはや県。誰が町長になっても同じ」と言い切る。

 投票によって反対意志を示すことができない現実にいら立ちをみせる地権者も。ある男性(63)は「過去の町長選でもダム反対を訴えた候補はわずか。昔から(ダム問題を)町全体で考えようとする雰囲気がない」と言葉少な。「投票には行く」という男性(35)も「白紙という形しかない」と話した。


2010年9月1日長崎新聞掲載
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