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付け替え道路工事着手から2カ月 地権者と県の溝埋まらず

現場前で座り込む反対地権者にゲートを開けるよう求める工事担当者(右)
現場前で座り込む反対地権者にゲートを開けるよう求める工事担当者(右)=21日午前7時37分、川棚町石木郷
 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題で、県が付け替え道路工事に着手して2カ月が経過した。この間、反対地権者らでつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」は工事の中止を訴える抗議行動を継続。先週からは現場前での座り込みの時間を延長するなど対立姿勢を強めているが、県は“様子見”の態度を崩さないまま。両者の溝は埋まることなく、工事は「粛々と」(県)進んでいる。

 県が同町石木郷で工事に着手したのは3月24日。絶対反対同盟や支援者はその3日後から、現場入り口前で工事日の朝に座り込みを続けている。毎日20〜30人が現場への進入を防ごうと正面ゲート前に集まり、工事中止を求める横断幕を掲げながら抗議のシュプレヒコールを上げている。

 一方、県は抗議行動に関係なく「できるところから粛々とやる」との方針。座り込みが始まる前に作業員が集まったり、裏口から現場に入ったり、と抗議行動との“遭遇”を可能な限り避けながら、搬入済みの重機などで作業している。正面ゲートから確認できる範囲は樹木の伐採がほぼ終わり、整地が進められている。

 目の前で進む工事。「抗議の声がまったく届かない」と業を煮やした絶対反対同盟は、今月20日から集合時間を早め、午後まで座り込み。早朝に現場入りしようと正面入り口を訪れた複数の作業員が引き返す場面もあった。

 施工計画の遅れなど抗議行動が与える影響について、工事の現場責任者は「進ちょく状況についてはコメントできない。ただ、県からはトラブルだけは起こすなと言われている」と言葉少なに話す。

 絶対反対同盟は中村法道知事に抗議行動を見に来るよう訴えているが、知事は「対話」を条件としており実現していない。岩下和雄さん(63)は「県は黙って工事を進めていれば、われわれがあきらめると安易に考えている。反対の意思表示は絶対にやめない」と語気を強める。

 これに対し、県石木ダム建設事務所(同町)の古川章所長は「地権者と冷静に話し合いができる状況ならばいつでも出向くが、様子を見ながら検討する。トラブルを避けるというスタンスは変わらない」として、地権者との直接交渉による解決には消極的な姿勢を示している。


2010年5月27日長崎新聞掲載
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